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まいづる元気人vol.106

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京都府舞鶴市

■住職×映画監督
~映画で生きる力を届けたい~

養徳寺(千歳) 住職 松浦 道博 さん

「映画で生きる力を届けたい」と、舞鶴市を舞台にした人間ドラマを撮っている住職が、千歳にいる。今年1月に動画投稿サイト「ユーチューブ」に投稿した最新作「藍(あい)の思い出」の再生回数は6,000回超。心温まるストーリーが多くの人を勇気づけ「たくさんの人に見てほしい」「感動した」といったコメントが寄せられている。

◇撮影 ストイックに
暖かい春の陽光が降り注ぐ昨年5月下旬。青々とした芝生が広がる市内の寺院に、最新作の出演者とスタッフが集まった。この日の撮影は、両親を失った主人公と、車いすの少女の交流シーン。ビデオカメラをのぞき込んだ松浦さんは「カメラの位置を意識して」「声をもっと張ってみよう」と、穏やかな表情ながら、出演者に何度も撮り直しを求めていた。「ストイックな性格なんです。厳しい修行を積んできたせいかな」と、坊主頭を恥ずかしそうにつるりとなでた。

◇舞鶴移住 住職に
北海道旭川市出身。大手証券会社を退職後、大徳寺(京都市北区)の僧堂などで6年半、修行を積んだ。知り合いのつてを頼り、養徳寺(千歳)の住職になったのが42歳。見ず知らずの土地に飛び込んだが、檀家(だんか)回りや法事のほか、座禅会を開いたり、境内でイベントを開いたりし、次第に地域に溶け込んだ。

◇コロナ禍 制作のきっかけ
映画の制作をスタートしたのは、コロナ禍の2021年。感染への不安や外出制限などで心に不調をきたす人が増えるなか、映像作品なら、これまで法話で伝えてきたメッセージを対面でなくても届けられると思い付いた。友人を頼って出演者をかき集め、55歳で初めてメガホンを取ると、脚本から、監督・撮影・編集を1人でこなし、10か月かけて完成にこぎつけた。

◇映画で 生きる力を
その後も「見た人が元気になるような作品を」をモットーに映画作りにのめり込んだ。脚本の書き方や、演出・編集の仕方を独学で学んで腕を磨き、今年1月には4作目を公開。ともに暮らしていた父を亡くした少女が、住職らとの交流を通して生きる力を取り戻す姿を、自然豊かな舞鶴の風景とともに描いた。次回作の目標は、1時間を超える初の長編作品を撮ることだ。「じわりと生きる力が湧いてくる作品を撮り続けたい」と意欲を燃やしている。

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