認知症は、誰もがなり得る可能性があり、他人事ではありません。もし発症しても、早期に発見し、症状に合わせた治療やサポートを行うことで、病気の進行を遅らせたり、症状を緩和・予防することができます。「もしかしたら」と気が付いたら、一人で悩まず、すぐに専門医などへ相談してください。
私たちが安心してこれからも自分らしく、暮らしていくためには、多くの人が認知症の症状や特徴、サポートの方法を理解し、地域で暮らしていけるように見守り、支える環境づくりが大切です。
舞鶴市では、認知症の理解を深め、正しい知識を学ぶことで「認知症になっても自分らしく笑顔で暮らせる舞鶴」を目指し「語り合おう つながろう」を合言葉にさまざまな取り組みを実施します。また、住み慣れた地域で今後も安心して暮らし続けられるように、必要な時に必要なサポートができる体制づくりを行っています。
■認知症月間特別映画上映会 オレンジ・ランプ
若年性認知症と診断された人の実話をもとに描く、夫婦の希望と再生の物語。
認知症への正しい理解をこの機会に深めてみませんか。
日時:9月21日(土)14時~16時
場所:総合文化会館
■認知症行方不明高齢者の早期発見体制整備事業
◇事前登録制度
認知症などにより行方不明になるおそれのある人の情報を事前に舞鶴市へ登録できる制度。行方不明が発覚した時に迅速に関係機関と情報共有を行い、早期発見ができるようにします。
◇身元判明のためのグッズを配布
事前登録のマークと登録番号の入ったバッジやキーホルダー、見守りシールは行方不明者を捜す手がかりとなります。シールは登録者の衣服や靴、よく持ち歩くもの(かばんや杖)へ簡単に貼り付けることができ、記載されている二次元コードをスマホなどで読み取ると、市ホームページにつながり、警察署の連絡先などを表示します。事前登録の方法やグッズの配布など詳しくは、市ホームページで。右コードよりアクセス可。
※詳細は本紙またはPDF版をご覧下さい。
※二次元コードは本紙またはPDF版をご覧下さい。
■INTERVIEW
◇早めの受診をためらわない
認知症の心配がある人は、本人自ら病院を受診される場合もありますが、家族が心配して受診されることや、かかりつけ医からの紹介で受診される場合が多いです。家族が気付くきっかけは、物忘れの症状や以前より怒りっぽくなった、不安が強いなどの変化が起こったときです。また、テレビで認知症の特集を見て心配になり、受診される人もおられます。
認知症初期には物忘れなどの症状の自覚がありますが、症状が進行すると、その自覚がなくなってきます。そのような時に受診を勧めると「自分は病気じゃない」と言われたり、受診自体を嫌がられたりする場合もあります。
また、若年性認知症の人は、診断後に仕事を辞められる場合があり、仕事がなくなると無気力になるケースもあります。認知症になっても仕事を続けるなど、本人の居場所があると良いと思います。
認知症の人への接し方として、試すような行動は本人をイライラさせてしまうので、できるだけ共感的に接するように伝えています。お互いにいら立つこともあるので、クールダウンしてから接すると良いですね。
少しでも気になることがある時は、早めに受診することで早期発見につながりますし、認知症以外の病気が見つかることもあります。本人が受診を拒否される場合は、体の健康診断と同じように、自分の現状を知る「心の健康診断」として、夫婦や家族で一緒に受診することをお勧めしています。
まずは医療機関とつながることが大切
松岡 照之 先生
(舞鶴医療センター、認知症専門医)
◇そばで寄り添ってくれる存在
一人暮らしや日中に家族が不在にされる自宅に伺い、二人一組で話を傾聴する「地域支えあいサポーター(おはなしボランティア)」をしています。認知症の人を訪問する際は、同じ話を繰り返されても、毎回初めて聞く話のように傾聴し、本人が話しやすい環境づくりを心がけています。誰が訪問したかを覚えておられない場合もあるため、連絡ノートを作って訪問時に記入することもあります。
また、講座の受講や認知症関連の番組を見て認知症への理解を深めています。認知症の人といっても、きちんと会話もされ、その人なりの思いを持っておられる様子も感じますし、特別な対応をしているわけではありません。
訪問先の人に元気になってもらうことはもちろんですが、自分自身も活動を通して元気をもらっています。
「認知症の人」ではなく「その人自身」と語りあう
井上 春枝 さん
宮前 笑美子 さん
担当:高齢者支援課
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