■申し出がなくても「くみ取って」配慮するのが長岡京スタイル
誰もが共に自分らしく暮らす長岡京市障がい者基本条例
今回の法改正では「申し出があった場合」の合理的配慮が義務付けられましたが、長岡京市には、申し出がなくても合理的配慮を「できる限りくみ取って」行う努力義務を定めた条例があります。
例えば、店内に困っている人がいたら「どうされましたか?」と声をかけたり、ユニバーサルデザインの視点から対応を検討し困りごとを事前に除去しておくことが「くみ取り」にあたります。
●ピックアップ
ユニバーサルデザイン(UD)とは?
年齢や性別、言語、障がいの有無などの個人の違いに関わらず、誰にとっても分かりやすく、使いやすいデザインのことを言います。現行の運用を見直したり、新しいチラシを作るときにUDの視点を取り入れることなども、配慮の1つです。
●例えばこんな方法!市役所新庁舎で見つけたユニバーサルデザイン導入例
・UDフォントの使用
見間違いが少なく、視力低下や読字障がいのある人にも見やすい字の形・サイズを使っています。
・タッチレス水栓の設置
子どもや車椅子の人でも手が届きやすくなる、などの効果があります。
・カウンター位置の配慮
車椅子に乗ったまま利用できる高さに机を設置しています。
・ピクトグラム
・多言語・聴覚障がい対応ツール
・スライド式ドア、エレベーターなど他にもたくさん!
■長岡京市身体障がい者団体連合会の三好さんに、ご自身の経験や、制度についての思いを聞きました。
●制度にすると「難しい」けれど必要な配慮は「簡単なこと」から
長岡京市身体障がい者団体連合会会長三好俊昭(みよしとしあき)さん
制度改正で、差別解消に向けて社会が前進したことは事実ですが、すごく難しい話ですよね。配慮を義務化すること、そして何をもって合理的とするのか。障がい者側も何が合理的配慮なのか分かりませんし、困ったときは市の窓口に相談してもらいながら、具体例に応じて一緒に考えていくことになります。
「対話」も、個人で気軽にできることではありません。確認や準備に時間がかかると「もういいや」と思ったり、少しの困りごとなら「わざわざ言うのもなぁ」と言葉にしないときがあります。
しかし場合によっては、自力で無茶をすることで、事故につながる危険性もあります。障がい者の方は、相手を守るためにも必要なときは意思表示すると良いと思いますし、事業者の方は、事前に対応を整理したり、配慮しておいてもらえると、ありがたいですね。
●誰もが暮らしやすい社会へ大切なのは「心のバリアフリー」
必要な配慮は、特別難しいことではないと思います。障がいの有無に限らず、相手の立場に立って思いやりが持てれば。「大丈夫ですか?」など、何か一言でもあると、うれしいものです。いくら建物内がバリアフリーだとしても、心の中に偏見や無理解があると、結局は差別解消になりません。
その「心のバリアフリー」を実現することこそが大切だと思っています。
■正しい知識が身に付くあいサポーターになろう
合理的な配慮のためには、障がいの多様な特性について正しく知っておくことが大切です。「あいサポーター」は、研修で正確な知識を身に付け、障がいのある人が困っているときに、ちょっとした手助けをする人のこと。現在、市内では1,509人が受講済みです。個人や会社、お店、市民グループなどで、あいサポーター研修を受けてみませんか?
■全ての人が暮らしやすい世の中へ
6月1日は「人権擁護委員の日」、6月23日~29日は「男女共同参画週間」。誰もが自分らしく生きられる世の中を目指して、私たちの周りの人権や社会について考える機会にしませんか。
●人権にまつわる悩みを相談できる人権擁護委員
人権擁護委員は、他人を思いやる気持ちを広める活動や人権侵害の被害者救済などに取り組む民間ボランティアです。法務大臣から委嘱されて活動しています。
「これっていじめや差別かも…」という悩み、ご相談ください。
・特設相談
毎月2回、市役所市民相談室で開催しています。6月は開催を3回に拡大。
日程は本紙16ページをご覧ください。
・電話相談「みんなの人権110番」
【電話】0570-003-110
受付は(月)~(金)午前8時30分~午後5時15分
問合せ:共生社会推進課人権・共生社会推進係
【電話】955-3180【FAX】951-5410
■だれもがどれも選べる社会に考えよう男女共同参画
それぞれの個性と能力を発揮できる「男女共同参画社会」とは。皆さんと一緒に考えていくために、男女共同参画センターでは、週間に合わせてさまざまな催しを実施します。
・関連図書を手に取ろう
6月中は、センターと図書館で、男女共同参画に関する図書の展示コーナーを特設しています。貸し出しもできます。
・男女共同参画川柳を考えよう
作品は、イベントや広報活動などで活用します。
【応募】名前、住所、年代、連絡先、作品の意味・思いを書いて、9月30日(月)必着で下記へ。
*応募作品の著作権は、市に帰属します。
・講演会「紫式部自分らしく生きる」に参加しよう【要申込】
日時:6月24日(月)午後1時30分~3時30分
場所:バンビオ
定員:40人
*託児・手話通訳・要約筆記は6月10日(月)までに要申込。託児は1歳~就学前(6人)
問合せ: 男女共同参画センター“いこ~る”プラス
〒617-0833神足2-3-1総合交流センター6階
【電話】963-5501【FAX】963-5521【メール】danjo-c@city.nagaokakyo.lg.jp
問合せ:障がい福祉課社会参加支援係
【電話】955-9549【メール】FAX952-0001
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