『未来に躍動する「共感」「協働」のまちみやき』を掲げた本当の理由(1)
~行政の役割と町民との関係性~
みやき町長 岡 毅
皆さんは「行政の役割とは何か?」普段、考える機会が少ないかもしれません。私たち行政は、皆さんから頂いた貴重な税金を使って、何をすべきか?優先順位は?常に考えています。まずは行政しかできない重要な社会インフラの整備。道路、水害対策、公共交通、学校や文化体育施設などの公共施設の整備などです。次に、生活に困っている方への支援(セーフティネット)、最後にみやき町の特徴を伸ばす政策や地域課題の解決に使われるべきだと考えます。
政策を考える時、国、県、周辺地域のことも一緒に考えています。例えば、「農業の担い手不足」の地域課題としては、農地が荒れる、一次産業が廃れると地域が活性化しないなどの問題があります。一方で、国としては食料自給率が低いという問題があります。ロシアのウクライナ侵攻パレスチナ紛争、中国の台湾有事などを見据え、もし食糧輸入が止まっても日本人が困らないよう、38%しかない日本の食料自給率を上げる必要があります。このように、みやき町が地域課題に取り組むことは、国の課題にも取り組んでいることになるのです。国の課題を解決するための実践の場が地方なのです。
話は変わりますが、各地区に区長さんがいらっしゃいますね。区長さんや地区役員さんも民主主義的な手法で選ばれ、地区のために一生懸命ご尽力されます。イベントや地区清掃を行ったり、困りごとを解決したりと、その用務は様々です。それらは、皆さんから集めた区費で運営されています。この形は「住民自治」と呼ばれ、民主主義の基本形です。自分たちのことを自分たちで決め、自分たちで運営する。この形が大事なのです。町長や町議は、選挙で選ばれた代表者が話し合い、町全体の方向性、予算の分配などを決めていきます。これは「地方自治」と呼ばれ民主主義の形の一つであり、自分たちの地域をしっかり守り活性化してくれる代表者を選挙で選ぶからこそ、選挙が大変重要になってきます。
「地方自治」と「住民自治」どちらも民主主義の形ですが、一番の基本は「住民自治」であることを皆さんは忘れてはいけないと思います。資金も含めて自分たちで運営することこそ民主主義の基本です。そのうえで、「地方自治」が皆さんを下支えすることで、皆さんの生活がより安定的なものになるのです。
忘れないでください。「住民自治」が基本です。次号では、このことについて、もう少し詳しくみていきましょう。《2月号につづく》
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