■早里のイスノキ〜伊万里市の天然記念物シリーズ(4)〜
瀬戸町早里地区には、国道204号線沿いの小高い丘に、大きなイスノキが立っています。
イスノキは、マンサク科イスノキ属の常緑樹で、主に暖かい土地に自生する樹木です。平成18年に県の天然記念物に指定され、樹高約13メートル、目通り幹回り(目線の高さでの幹の回り)約2・5メートルと、県内でも屈指の大きさです。『ヒョンの木』という別名があり、虫ちゅうえい嬰という虫の寄生などによって出来た空洞のコブを、笛のようにして吹くと『ヒョン』と鳴ることから、このように呼ばれています。
イスノキは『柞灰(ゆすはい)』という磁器の釉薬の原料がとれ、柞灰は江戸時代で盛んに使われました。ところが、市のイスノキは徐々に減っていったため、日向(宮崎)や薩摩(鹿児島)で作られた柞灰を使用するようになりました。近年でも、開発などによってイスノキの数は減少していて、県内でもごく僅かに見られる珍しい樹木です。
イスノキ周辺には、マテバシイやスダジイ、ヤブツバキなどが生育しています。これらは『暖地海岸性林』として、温暖な気候に恵まれた場所で見られる貴重な植生であり、市の天然記念物に指定されています。
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