■アンコンシャス・バイアスとは
男女協働参画の取り組みの進展が未だに十分ではない要因の一つに、社会全体において固定的な性別役割分担意識やアンコンシャス・バイアスが存在していることが挙げられます。
アンコンシャス・バイアスは、日本語で『無意識の思い込み』などと表現され『アンコン』と省略されることもあります。
アンコンは、誰もが持っているもので、これまでの経験や見聞きしてきたことなどから生み出されるため、完全に払拭することは難しいことなのかもしれません。しかし、気づかないままでいると自分や周りの人の可能性を狭めてしまったり、誰かを傷つけてしまったりする場合があります。
今回の特集では、アンコンがどのようなものなのかなどを紹介します。
まずは、アンコンシャス・バイアスを知って、自分の中にあるアンコンに気づくきっかけにしてみてください。
◆はじめにあなたの考えを確認してみましょう
家庭やコミュニティ、職場などのさまざまな場面での皆さんの考えを確認してみましょう。
次の設問ごとに「そう思う」「どちらかといえばそう思う」場合には□に✓を付けてください。
□男性が家計を支えるべきだ
□女性は女性らしい感性があるものだ
□女性は感情的になりやすい
□デートや食事のお金は男性が負担するべきだ
□育児期間中の女性は重要な仕事を担当するべきではない
□女性はか弱い存在なので守らなければならない
□男性は結婚して家庭を持って一人前だ
□男性は人前で泣くべきではない
□女性は結婚によって経済的に安定を得る方が良い
□男性は家庭よりも仕事を優先するべきだ
□組織のリーダーは男性の方がむいている
□大きな商談や交渉事は男性が行う方がよい
□家事や育児は女性がするべきだ
□親の介護は女性がするべきだ
□職場で女性は男性のサポートに回るべきだ
▽チェックの結果
チェックを付けた項目が『5個以上』あった人は、知らず知らずのうちに相手を傷つけたり、性別で任せる仕事を決めつけてしまい、自分や周りの人の成長や可能性を狭めている場合があることから注意が必要です。
■アンコンシャス・バイアスに関する全国調査結果
あなたの考えをチェックした結果はどうでしたか。
国は、令和4年度にアンコンシャス・バイアスに関する調査を行っています。調査の結果、アンコンシャス・バイアスという言葉の認知度は『21.4%』にとどまっています。
ここでは、性別での役割意識に関して、家庭や職場といった各場面などでの回答結果を男女ごとに紹介します。
◆国の調査の概要
対象者:全国男⼥20代〜60代
回答者数:10,836⼈(男性5,452人、女性5,384人)
調査内容:性別による役割について「そう思う」「どちらかといえばそう思う」「どちらかといえばそう思わない」「そう思わない」で回答
1.性別役割意識(全体)※上位5項目
2.性別役割意識(家庭・コミュニティ)※上位5項目
3.性別役割意識(職場)※上位5項目
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