■新年のはじまりに
研修会や講演会に参加すると「人権感覚を磨く」という言葉を耳にします。聞き慣れた言葉なのですが、そもそも『人権感覚』とはどのような感覚なのでしょうか。
私たちの身のまわりには、昔から言われている『変なこと』があります。例えば、葬儀の後に『清めの塩』をふる風習や『結婚式は仏滅の日を避ける』という考え方など、子どもには説明できないことばかりです。生まれた場所や育った場所、住んでいた場所で人の値うちに差をつける『部落差別』もその一つです。
日本では「みんなが言っているから」と周囲の意見に左右されがちですが、このことを踏まえると、一見あたりまえに思えることに「ちょっと変じゃないか」と疑問を持つことが『人権感覚』と言えるのかもしれません。
疑問を持つことで「正しいことを知りたい」という向上心が生まれます。正しいことを知ることで、やがて子どもに説明できない『変なこと』をなくす行動へとつながります。さらにその行動は『新たな疑問を抱く』という好循環へと結びついていくのです。
私たちが暮らすこの社会には、さまざまな情報が溢れています。例えば、インターネット上には同和地区に対する根拠のない噂や誹謗中傷(ひぼうちゅうしょう)が書き込まれたサイトが多く存在しています。正しい知識がないと誤った情報を信じてしまい、自分が差別をする立場になってしまうかもしれません。やはり、正しく知ることが大切なのです。
新しい一年が始まりました。今年の目標に「人権感覚を磨く」を加えてみてはいかがでしょうか。あなたの一歩が社会を変える力になります。
※このコーナーは、隔月のシリーズで掲載しています。これを手がかりに、家庭で人権・同和問題について話し合ってみましょう。
問合先:生涯学習課人権・同和教育係
【電話】23-3186
<この記事についてアンケートにご協力ください。>