■しだれ椋〜伊万里市の天然記念物シリーズ(5)〜
伊万里保育園にあるしだれ椋は、昭和48年に伊万里市の天然記念物に指定されました。
椋はニレ科の落葉広葉樹で、本州中部から以南の山野に自生しています。春になると新葉とともに淡い緑の花が咲き、その後は球形の緑の実を付けます。秋になると実は紫黒に熟し、食べることもできます。
しだれ椋の大きさは、高さ約24メートル、幹回り4メートルで、枝張りは東西約20メートル、南北約21メートルで、高さ約10メートル付近までは、ほぼ垂直に伸びていて、小枝が簾のように長く垂れさがっています。
同じようにしだれた枝を持つ樹木としては、サクラやウメなどが知られていますが、椋は大変珍しく、学術的に貴重なものです。市内には、南波多町原屋敷大野岳集落内にもしだれ椋の古木があります。
現在、しだれ椋がある伊万里保育園ですが、さかのぼると江戸時代は佐賀藩の年貢米を納めるための蔵が、明治時代には伊万里小学校が、その後は伊万里高等青年学校が、戦後は伊万里中学校があった場所でした。
しだれ椋は、明治時代から現在までの間、子どもたちが遊ぶ場所に存在していて、これらの場所で幼少期を過ごした人にとっては『思い出の木』として記憶されていることでしょう。しだれ椋を見学したい場合は、伊万里保育園に許可を得てください。
問合先:生涯学習課文化財係
【電話】22-1262
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