「平和の礎(いしずえ)」
毎年、12月10日は人権デーです。世界人権宣言が1948年に国連総会で採択された日です。また、4日から10日までの1週間が人権週間と決められています。この人権宣言の起草者の一人、エレノア・ルーズベルトは、著書『問題を抱えた世界』(原著「This Troubled World」)の中で、次のように述べています。
「この世界で平和を実現するには、まず個人と個人との人間の理解を築かなければなりません。それが萌芽(ほうが)となって、集団と集団とのより良い相互理解も生まれるのです。」と。
長引くロシアのウクライナ侵攻のニュースを見聞きするたびに思い出すのがこの言葉です。
両国の首脳が、対面でじっくりと話し合い、ニッコリ笑って握手するシーンが一日も早く訪れるのを待ち望む毎日です。
この侵攻のニュースによって、日本国内で暮らすロシア人に対して、中傷や嫌がらせを行う憎悪犯罪(ヘイトクライム)が起きています。ネット上でも「日本からロシア人を追い出せ」などの書き込みが絶えません。
ウクライナ侵攻への批判が、まったく関係のない個人への攻撃にすり替わっています。
第41回全国中学生人権作文コンテストで法務大臣政務官賞を受賞した生徒の作文では、ウクライナ人である彼女の母親が、普段は親しいロシア人の友だちに対して互いに複雑な思いを抱いていると表現しています。お互いにつらいですよね。
平和の礎(いしずえ)は、人間と人間の信頼にこそあるのに。
(社会人権・同和教育指導員)
※佐賀市のホームページにも掲載しています。
毎月1日は「いじめ・いのちを考える日」です。
毎月11日は「人権を考える日」です。
問い合わせ:人権・同和政策課
【電話】40・7367【FAX】40・7327【Eメール】jinken@city.saga.lg.jp
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