佐賀に住んで1年以上になり、いろいろな場所を探検してきました。佐賀に来る前から、行きたい場所のリストを作っていて、最近では天山に登りました。
世界中のいろいろな場所でハイキングをしたことがあります。特に印象に残っているのは、父と登った南アフリカ・ケープタウンの「ライオンズ・ヘッド」、修学旅行でさまよったアイルランドの「グレンダロッホ」、大学の友人たちと散策したスコットランドの「ケアンゴームズ国立公園」です。
ライオンズ・ヘッドは、広々とした街並みやワイン畑、歴史的な港を眼下に望み、豊かな生態系を堪能できる形が特徴的な山です。グレンダロッホは、「エメラルドの島」というアイルランドの愛称の通り、壮大な緑に満ちた氷河の谷です。私はそこで一晩、霧に包まれたキャビンで過ごしました。この地域に妖精がいると信じられていたのがよくわかる、とても不思議で神秘的な場所でした。スコットランドでのハイキングでは、人口800人ほどのしんと静まり返った石造りの町や、2世紀前の蒸気機関車が今も通る露に濡れた低い山々を歩きました。
天山は日本で初めてのハイキングで、私が歩いた七曲峠のコースは、うっそうとした森を抜け、山の尾根に沿う風光明媚なルートでした。その日は快晴で、有明海の海苔畑や、長崎の雲仙岳まで見渡せました。ちなみに自然の中で見慣れない植物や生き物を見るのが私の楽しみのひとつです。この日、「ヤチツツジ」という常緑低木が目に留まりました。冬だったので花はなかったですが、種の形が不思議で、私の好奇心を刺激しました。夏には雪の雫のような美しい花を咲かせるというので、次は満開の時期に会いに行こうと思います。
佐賀の素晴らしい景色と、散歩道での小さな発見が、この旅を楽しくしてくれました。しかし、この日の特別な思い出は、温かい挨拶を交わしたハイカー仲間とすれ違ったことです。初対面なのに、私は彼らが同志のように感じました。日常から離れた自然の中で、短いながらも同じ旅をしていました。
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