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12月「人権週間」に寄せて ~優しさと想像力を持ちたい~

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佐賀県唐津市

1948(昭和23)年12月10日、国連で「世界人権宣言」が採択され、この10日までの一週間を「人権週間」とすることが決定されました。あらためて、人権について考えてみることにしましょう。
唐津バスセンターがある大手口センタービルの東側入り口前に、自転車置き場があります。通勤や通学の人たちが利用しているようです。そこが時々気になる事態となっています。自転車置き場の道路側には歩道があり、点字ブロックが設置されています。気になる事態とは、その点字ブロックの上にはみ出している自転車が後を絶たないということです。
内側に止めると、自転車の出し入れが大変なのはよく分かります。しかし、視覚に障がいのある人が、白杖(はくじょう)と点字ブロックを頼りに、あるいは盲導犬を頼りに歩行してきたとき、はみ出している自転車にぶつかると、どういうことになるか想像してみてください。「白杖を使ったり盲導犬を連れていたりする人は、そんなにいるのか」と言われたことがあります。いらっしゃいます。歩道や銀行のロビーなどで出会うことがあります。その人たちが、はみ出した自転車につまずいたらと考えると、怖くなります。想像力が必要です。どうか、あなたの自転車がそんなことになりませんように。
想像力といえば「フェアトレード」という言葉を聞いたことはありますか?先進国による植民地時代、企業がアフリカを中心とした開発途上国の人々に必要な作物を作らせ、それを安く買い叩くことによって多額の利益を得ていた時代がありました。つまり、開発途上国の労働に適正な対価を支払うことなく、先進国の企業は不当な利益を得ていたわけです。代表的な例がガーナのカカオ生産です。作れば作るほど搾取され、貧困に陥っていったと言われます。多くの児童が家庭や教育の場から引き離され犠牲になったという側面もありました。
フェアトレードとは、公正な取り引きを意味します。購入する側も産業を育て、労働に対する正当な対価を支払うことを原則として取り引きを行うことです。その結果、生まれた製品はフェアトレード商品と呼ばれます。
さて、フェアトレード商品は、市内のどこに行けば出会うことができるでしょうか。あちこち探した結果、市内大型スーパーマーケットのチョコレート売り場にありました。フェアトレードだからといって、特に高額というものではありません。しかし、見つけられたのは、おそらく数百種類のチョコレートのうち4種だけでした。ほかの店にも置いてあるのでしょうか。ご存知でしたらぜひ教えてください。
人権について語るとき、私たちは「命が一番大事」「命の重みは誰もが平等だ」と訴えています。人権の原点は平等です。その命を最も粗末に扱っているのが戦争です。ウクライナでの悲惨な犠牲者に心を痛めているとき、イスラエル・ガザ地区の新たな軍事衝突の様子が伝えられてきました。人間は何度もこの過ちを犯してきました。
人間は「世界人権宣言」を生み出す英知を持っています。その英知を集めて、命を奪いあうことのない世界を実現させるのはただの幻想でしょうか。

問合せ:生涯学習文化財課
【電話】72-9159

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