文字サイズ
自治体の皆さまへ

唐ワンくんの唐津今昔物語133

24/34

佐賀県唐津市

■「唐津の記念物」(15)
~唐津の史跡・名勝・天然記念物~

◇唐津松浦墳墓群(からつまつらふんぼぐん)(4)(桜馬場(さくらのばば)遺跡)
これまで3回にわたりご紹介してきました国史跡「唐津松浦墳墓群」の4回目にして最後を飾るのは「桜馬場遺跡」です。
桜馬場遺跡は、現在の唐津市中心市街地の南西に位置し、かつては海岸線の後退によって形成された砂丘の南端部分に立地していました。太平洋戦争真っただ中の昭和19(1944)年、防空壕(ぼうくうごう)を造るために地面を掘っていたときに偶然発見された遺跡で、その際に成人用の甕棺(かめかん)が出土しました。棺内には、大陸との交流を示す中国の後漢鏡(ごかんきょう)や国産の巴形銅器(ともえがたどうき)、南海産の貝から作られる貝輪を模した青銅製のブレスレットである有鉤銅釧(ゆうこうどうくしろ)など、大量の青銅製品が副葬されていました。これら青銅製品は、有力者の権力を示す「威信財(いしんざい)」とよばれるもので、その保有量と質から、この墓が当時の「末盧国(まつろこく)」の王墓(おうぼ)と考えられています。
その後、昭和30(1955)年に日本考古学会と東亜(とうあ)考古学会共同で行われた発掘調査のほか、市教育委員会も幾度もの調査を行ってきました。その中でも、平成19(2007)年に行われた調査では、王墓甕棺の正確な位置の把握に加え、巴形銅器や素環頭大刀(そかんとうたち)、ヒスイ製の勾玉(まがたま)、ガラス製の管玉(くだたま)などの副葬品も出土しました。
現在、王墓が確認された地点は国の史跡に指定されており、平成19(2007)年の調査で出土した資料は、佐賀県の重要文化財に指定されています。

問合せ:生涯学習文化財課
【電話】72-9171

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU