【人権教育No.327】ともに生きる

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■「周りに頼ることの大切さ」
娘が2歳の頃、地域のベビーサークルの代表をしていました。週一回公民館に集まり、季節の行事を楽しんだり、子育ての情報交換をしたりする場でした。ある日、サークル在籍中の保護者から相談を受けました。内容は、自分が息子を叱り、上半身裸のまま玄関の外にだしたことで、周りの人に虐待と思われたことに落ち込んでいるということでした。サークルでは、この親子を見守り、ケアしていくことにしました。私たちは、保護者がリフレッシュできる環境づくりや、地域の行事に参加し、周りと交流するなどの働きかけをしました。
それからしばらくして、保護者は、自分の息子が他の子と比べると動きが遅いことに悩んでいたことや、ストレスからか少しのことでも、怒りが収まらない傾向にあったことなどを、うちあけてくれました。今回のことで、いろんな人の話を聴いたり、自分の話を聴いてもらったりしているうちに、ひとりじゃないんだと安心し、自身を見つめ直すことができたと話されました。
この出来事で、子育ては家庭だけではなく、地域や社会全体でのサポートの大切さがわかります。この保護者も、地域の人々と交流し、気軽に相談できる関係を築いたことで子育てに対する意識が変化したのがよかったのではないでしょうか。困ったときは、周りの人に頼る選択もあることを知ることができた出来事でした。

社会教育指導員　宮下(みやした)