■「違いがあるから豊かになる」
子どもやおとなのみなさんに人権標語を募集したところ、1,022点が寄せられました。毎年募集をしている人権標語ですが、自分の身近なところで人権問題が起きてはいないか、すべての人々の人権が守られているかを考えるきっかけにしてほしいというのが大きなねらいです。
これまでの人権標語は「戦争」「コロナ差別」「いじめ」「いのち」という言葉が多くみられましたが、今年度は「違いを認める」「同じ人間」「個性」といった、多様性をテーマにした人権標語が多かったように感じます。
多様性とは、人種や性別、宗教、価値観、障がいのある人ない人も、いろいろな人たちがいろいろな想いで共存していることを指します。さまざまな違いをもつ一人一人が、それぞれの違いを否定されることなく、自分らしく生きられる社会が、多様性が尊重される社会になります。人権標語をとおして、個性を認め合うことや、人権を大切にしたいというみなさんの気持ちが伝わってきました。
そして私は「仁」の心が浮かびました。人の痛みに敏感になり、苦しみの中にいる人には手を差し伸べ、寄り添い、慈しみ合う心で、みんなが人と接すれば、いじめや争いごとも減っていくのではないでしょうか。
入賞者の標語は、短冊にしたり、標語からイメージした啓発ポスターも作成します。学校や企業、公共施設に掲示しますので、みなさんが人権を考えるきっかけになれば幸いです。
社会教育指導員 野中(のなか)
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