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【人権教育No.318】ともに生きる

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佐賀県多久市

■「ヤングケアラーのこと」
厚生労働省や文部科学省の調査によると、小学6年生のおよそ15人に一人が、ヤングケアラーであることがわかりました。ヤングケアラーが世話をする対象は、兄弟姉妹が一番多く、幼い弟や妹の見守りや家事を行っています。大好きな家族のために少しでも役に立ちたいと、料理、洗濯、掃除、買い物など、最初はお手伝いのつもりが、次第に範囲が広がり、お世話に費やす時間は一日平均4時間。中には、7時間以上のお世話をしているこどももいるようです。誰かに相談する機会がないため実態が表面化しづらく、支援の手が届きにくい現状があります。
ヤングケアラーの背景には、少子高齢化や核家族化の進展、共働き世帯の増加、家庭の経済状況の変化といったさまざまな要因があります。家族のお世話をすることが悪いことではありません。それが過度の負担となって、学校生活や日常生活に支障をきたし、こどもらしい生活が送れないことが問題なのです。
勉強に励む時間、部活に励む時間、将来に思いを巡らす時間、友人との他愛ない時間など、こどもとしての時間と引き換えに、家事や家族の世話をしているこどもがいることを知ってください。こどもたちが自分のことを話すのはとても勇気のいることです。周りの人が気付き、寄り添い、話を聴くことで困りごとも見えてきます。まずは「人を気にかけること」から始めてみませんか。

社会教育指導員 野中久美子(のなかくみこ)

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