四国八十八尊(しこくはちじゅうはちそん)
東多久町通玄院
阿波(あわ)・土佐(とさ)・伊豫(いよ)・讃岐(さぬき)国に所在する四国八十八箇所は、弘法大師ゆかりの巡礼地です。これらの霊場(本尊)を勧請(かんじょう)した写しが各地に設置(安置)され、当所では境内にあります。
現存する78尊像の内訳は薬師如来19体、阿弥陀如来6体、大日如来6体、釈迦如来4体、千手観音(せんじゅかんのん)12体、十一面観音11体、聖(しょう)(正)観音5体、馬頭(ばとう)観音1体、地蔵菩薩6体、虚空蔵菩薩(こく(う)ぞうぼさつ)2体、文殊(もんじゅ)菩薩1体、弥勒(みろく)菩薩1体、不動明王3体、毘沙門天(びしゃもんてん)1体です。
紀年銘は明治十八年八月、十九年、二十年、二十一年、二十二年、二十三年春と刻まれ、約5年かけて安置が完成したと考えられます。施主の住所は當寺、當駅、當(上中下)町、別府町、別府山、渋木、古賀(津)、三軒屋、柳瀬村、納所村、大工田、四下、多久原村、多久町、椋瀬村、右原、大手町、佐賀牛島町長德寺などです。
多久市郷土資料館長 藤井伸幸(ふじいのぶゆき)
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