地域おこし協力隊として令和3年から3年間活動した木下光次(きのしたみつじ)さん。地元農家を悩ませていた獣害への対策に尽力し、みんなから〝ハンター木下〞の愛称で親しまれてきました。
着任から3年目の夏にジビエを提供する「西多久テラス合同会社」を開業。任期を終えた今も西多久の魅力を高め続ける木下さんの新たな挑戦をご紹介します。
■地域を照らす新たな拠点
地域おこし協力隊として令和3年に西多久町へと移住した木下さんは、住民の困りごと相談から名産品のPRなど、幅広く活動されてきました。中でも獣害対策には農家のみなさんの声を受けて熱心に取り組み「安心して農作業できる」と喜ばれています。
駆除したイノシシは食肉加工ができない場合、地面を1m以上掘って埋めるしかありません。そうした中で「イノシシ肉でジビエ料理を提供すれば新たな名産品になるはず」という思いがあった木下さんは、課題を魅力へと昇華するために動き出しました。
イノシシを食肉として加工処理する設備を整えるには、さまざまな厳しい基準を満たす必要があります。「加工処理は未経験だったので、地元猟友会や保健所など、多くのみなさんに助言をいただきながら一つ一つ進めていきました」と当時を振り返ります。
そして令和5年8月、遂に「西多久テラス合同会社」を開業。西多久を太陽のように明るく、元気に照らしたいという思いを込めて名付けられました。地域おこし協力隊が食肉加工を担う会社を立ち上げたのは、県内初めてです。
▽ジビエとは?
狩猟で得た野生動物の肉のこと。
■はるか未来まで魅力をつなぐ
西多久テラスでは食肉処理と加工、惣菜などの販売と徐々に手を広げ、販売箇所も増やしていきました。マルシェへの出店やイベントでも好評を博しており、今年2月には多久市観光協会と連携して「ジビエカレーを味わう会!」を開催。131人もの人が西多久公民館に集まり、イノシシ肉を使ったカレーに舌鼓を打ちました。
評判が広まり、ジビエ料理を始めた人が食肉加工を学びに来ることもあるそう。「まずは会社を軌道に乗せ、後継者の育成にも力を入れていきたいです。移住当初から住民のみなさんが温かく迎え入れてくれたこともあり、ますます西多久が大好きになりました。これからも愛する地域のため、精一杯頑張ります」と笑顔輝く木下さんは、これからも西多久の素晴らしさを市内外へと広めていきます。
●西多久テラスぷらす協議会発足!
地域みんなで盛り上げていくため、西多久町に深く関わる団体が連携しました。ジビエに関するイベントや各事業で協力し合います。
▽加盟団体
西多久町を考える会
西多久町生産組合
多久市猟友会
西多久テラス合同会社
●地元の優しさ、ぎゅっと込めて。 西多久の恵み
人気のジビエ・イノシシ肉のほか、地元で採れた野菜や果物も販売中。ペットフードやお肌に塗って使えるイノシシオイルなど、注目の品々が揃います。
イノシシ肉
イノシシオイル
山菜・野菜
季節のフルーツ
ペットフード
▽買えるところ
西多久テラス…狩猟に出掛けていることが多いので、まずはお電話ください
幡船の里
天山多久温泉TAQUA
▽食べられるところ
麺工房こうき
はるそら食堂
◇Information
西多久テラス
西多久町大字板屋9974
【電話】090-2332-0919(木下)
定休日:不定休
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