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特集~新春対談 今年7月開院へ 公立佐賀中央病院から明るく安心な未来を創る(1)

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佐賀県多久市

多久市と小城市が共同して創設する「公立佐賀中央病院」が、今年7月に開院します。
これまで以上に利用しやすく、すべての人にやさしい地域密着型の病院をめざし、着々と準備を整えているところです。
今回は、前佐賀県医療センター好生館長で多久小城医療組合顧問の佐藤清治(さとうせいじ)先生と、多久小城医療組合管理者の横尾俊彦(よこおとしひこ)市長が語り合う、新春対談をお届けします。

市長:あけましておめでとうございます。数年にわたって準備を進めてきた公立佐賀中央病院が、遂に今年、開院を迎えますね。これからも共に、素晴らしい病院づくりができればと思っております。今日はどうぞよろしくお願いいたします。
佐藤:新年おめでとうございます。市長とはこれまでもより良い地域医療のために対話を重ねてきました。本日も有意義な話ができればと思いますので、よろしくお願いいたします。

■地域に根ざした やさしい病院
市長:昨今は政府としても近隣の公的病院が連携・統合するなどし、拠点病院をつくるよう国が推し進めています。そうした中で多久市と小城市は統合の道を選び、実を結ぶ日が近づいてきました。
佐藤:いよいよですね。新たな病院には既存・新設合わせて22の診療科の設置を予定しています。多久市立病院と小城市民病院がうまく相互補完できた形となります。
市長:地域のみなさんのニーズにも応えやすい、万全の体制づくりですね。また、佐賀県の中央に拠点的な病院が必要であったこともあり、新病院がまさにその役割を果たせると思います。県内の高度急性期に対応する病院へつなぐにも良い距離感です。
佐藤:「公立佐賀中央病院」の名のとおり、県央の拠点病院としてしっかり成長する必要がありますね。さらに、多久市では介護・福祉の地域包括ケアも充実していると伺っています。
市長:はい、例えば多久市には「ちくたくネット」という在宅医療・介護連携ネットワークがあり、職種の垣根を超えて活発に活動されています。こうした素地を生かし、院内外を問わず強固に連携することで、利用されるみなさんに「安心して通える」病院と思っていただきたいですね。
佐藤:そのためにも健康相談ができる場を設けたり、魅力的な絵画などのアート作品を飾ったりといった、治療以外の要素も充実させていけたらいいなと考えています。健康に不安がある人や患者さんだけではなく、その送迎や付き添い、お見舞いなどで来院されるご家族やご友人も含めて、みなさんに気軽に来ていただけたらうれしいです。
市長:いいですね!足を運ぶ目的が治療以外にもあれば、新病院がより身近なものになり、健康意識の向上や安心にもつながりそうです。

■早めの予防で健康と命を守る
佐藤:県内の健診受診率や実施率を底上げするために、さまざまな取り組みがなされていますが、思うようには成果が出ていません。しかし多久市は、県内はもとより全国有数の健診実施率を誇るまでに上がりました。市長はどのようにして市民のみなさんに伝えられたのですか?
市長:全国2位の表彰を頂きました。折に触れて、何度も健康の大切さを話しました。市民のみなさんからは保健師の説明も評価されました。健診の数値を見せつつ、今後どういう症状が出てきてどうなるのかを具体的に話すそうです。中にはがんを早期発見できたと感謝されたなどの話を伺うと「やってきて良かった」と実感します。
佐藤:心に届く話し方だからこそ、市民のみなさんの行動につながったのでしょうね。特に、10年生存率が全体で約6割弱のがんのような病気は、早期発見・治療できるかどうかが大きな鍵となるので、健診や検診は非常に重要です。新病院には健診センターを設けるので、元々健康意識が高い多久市では、さらに健診を受ける人が増えるのではないかと期待しています。
市長:ええ、多くの人に健診・検診を受けていただき健康改善保持できることを私も期待しています。がんはもとよりすべての病気で早期発見・治療が大切だと思います。まず病気にかからないように、あるいは悪化しないように努めたいものです。どのような方法があるでしょうか?
佐藤:まずは予防ですね。予防は一次、二次、三次の3段階に大別されます。先ほど話していた早期発見・治療は「二次予防」で、今仰った罹患を防ぐものは「一次予防」です。一次予防として効果的なのは、やはり生活習慣の改善。お酒やタバコ、睡眠など、一気に変えることは難しくても、気をつけることが予防につながります。少しずつでも実践してみていただきたいですね。「三次予防」では回復や社会復帰をめざしますが、がんであれば苦しまないように緩和ケアを施すことも含まれます。
市長:なるほど。どの予防も重要ですね。また、新型コロナウイルスの経験からもワクチンは大変重要だと実感しました。おかげさまで多久市では、市民のみなさんによくご理解いただけたこともあり、県内トップクラスの接種率で推移していたのですが、ワクチンの予防効果ついてはいかがでしょうか?
佐藤:感染症予防にはワクチンが大変有効です。例えば子宮頸がんは、男女間で感染するHPV(ヒトパピローマウイルス)がほとんどの発症原因となりますが、オーストラリアでは多くの男女がワクチンを接種しています。その効果で3年後には撲滅するとの予測もあり、こうした話を聞くと、どんな病気も必ず撲滅できるという希望が見えますね。
市長:それは明るい予兆ですね。未然に防げる病気、治せる病気を増やし、健康にお過ごしいただく人を増やすためにも、新たな病院でしっかりフォローしていきましょう。

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