■ふるさと住民票の制度導入について
▽議員
地域に住んでいなくても、地域を応援したいと思う人を対象に、自治体が発行する第二の住民票である「ふるさと住民票」の制度を導入してもらいたい。
令和6年8月時点で、「ふるさと住民票」に登録されている人は、全国で約7000人となっている。全国の12自治体が既にこの制度を導入しており、地域と多様に関わってくれる関係人口を創出する取組みが行われている。地域の活性化をしていくためにも、大町町と繋がりを持つ人々を増やしていくことが望まれる。そこで2点質問する。
(1)関係人口の創出について、現在、取り組まれていることがあるか。取り組みがあれば、その内容について知りたい。
(2)「ふるさと住民票」の制度導入ついて、当町の考えを問う。
▽企画政策課長
(1)関係人口の創出についての取り組みということですが、以前は、「東京佐賀ふるさと大町会」や「アメリカアレンデールとの姉妹都市締結」に取り組んでいました。
現在は、大町町が2度の大きな災害を受け、災害支援団体をはじめ、多くの皆さんに支援をいただいたことをきっかけに、災害支援団体などと平常時からの連携として、定期的にCSO連携会議を行い、関係を維持しています。
また、町外からの集客も見込めるイベントの開催に加え、町公式LINEやインスタグラムなどを活用することにより、関係人口の創出ができているものと認識しています。
(2)「ふるさと住民票」については、東日本大震災発災時に「原発避難者特例法」に基づき、住民票はそのままで、避難先の市町で届け出により行政サービスが受けられるというところからの発想で、これがきっかけとなり、多様化する生き方や暮らし方に対応した住民と自治体との柔軟な仕組みとして、法改正など行わずに取り組める制度として議論され、始まったものとなっています。
9年前となる2015年8月に、8自治体の「共同提言」に始まり、現在、全国12自治体が「ふるさと住民票」制度を導入し、取り組まれています。
人口が減少していく中で、地域の活性化と人口増への取り組みが日本中で行われ、本町においても、持続可能なまちづくりに対して、更なる取り組みは必要と考えますが「ふるさと住民票」は、一般社団法人構想日本が商標登録している事業となっています。
制度導入にあたっては、住民票となるカード作成について、業務委託をすることとなることや、全国12自治体との情報提供などを行うための連絡協議会負担金が必要になること、加えて、ふるさと住民票の登録者に対しての経費など、一定の財政負担も生じることから、経費を上回る効果があるのかなど、制度導入については、引き続き勉強したいと考えています。
■大町町の障害者支援の現状と課題について 江口正勝
▽議員
(1)障害者を支援する法律と具体的支援内容は。
障害者の自立を促す目的で障害者総合支援法など数々の支援法があるが、ここでは障害者雇用促進法について、現状を伺いたい。町は、法律が定めた法定雇用率を達成していますか。町内企業の達成率は。
(2)大町町独自の取組や支援はあるのか。
国や法律が定めた支援の他に、町独自で行っている取り組みや支援はありますか。今はやっていなくても、将来、やって行きたい計画は考えていますか。
▽福祉課長
(1)本町においては、法定雇用障害者数を達成している状況です。
町内企業の法定雇用率については、町は公表できる立場ではありませんので、ここでの答えは控えさせていただきます。
(2)町独自の取組の一つとして、町内の福祉施設又は福祉団体の維持運営に対し、大町町総合福祉基金を活用し支援をしています。
これまで、ふれあい作業所(特定非営利活動法人ふれあい)に対し、プロジェクター購入費の助成、大町町手をつなぐ親の会に対し、ノートパソコン購入費などの助成を行っています。
また、ふれあい作業所が行う、工賃向上を目的とした車エビなどの陸上養殖事業に対しても、2年続けて助成しています。
さらに、ふれあい作業所に文書等配達業務を委託、障害者就労施設等からの物品等の調達に関する町の方針を定め、物品の調達を行うなど障がいを持つ人の雇用の確保、自立に向けた支援を行っているところです。引き続き、障がい福祉に対するニーズに耳を傾け、支援を検討していく所存です。
■2050年までに、本当に大町は消滅するのか
▽議員
(1)人口戦略会議が発表した「消滅の可能性がある大町」の報道についての町の認識
(2)どう対応するつもりか。具体的な計画と方針は。
▽町長
昨年発足した「人口戦略会議」という民間のグループが、10年前に別の団体が発表した計算式に最近のデータを置き換えて、2050年時点で、子どもを産む中心世代の20代、30代の女性の減少率が50%を超える自治体を、将来的に存続が困難になる可能性が高いと一方的に線引きして提唱したものです。
「消滅可能性自治体」、この言葉を聞いて、名指しされた大町町民は、「結果としての状態」を思い浮かべられるのではないでしょうか。ただ、私には、単に「言葉の選択」の問題としか思えません。国民の感情を煽り、「人口問題」をクローズアップされているのだろうと思います。
人口問題は今に始まったことではなく、我々はすでに「覚悟」をもって町づくりに挑んでいます。その上で今力を入れている「子育て支援」「定住移住対策」「企業誘致施策」を積極的に展開していきます。
「大町」が消えてなくなることはありませんし、示されたデータに何ら「消滅」の根拠はありません。「未来に起きうるかもしれない事は、未来を担う人たちで考えていただくこと」と思っています。
平成の大合併で合併を決断された近隣の町も消滅などしていませんし、地名も町民もそのまま残り、元気に新たな暮らしの中で変わらずコミュニティが形成されています。
■ふるさと館とふるさと納税の現状と課題について
▽議員
(1)ふるさと館は、以前と比べ、何が変わったのか。
(2)ふるさと納税は、トラブルを克服して順調に運営されているのか。
▽企画政策課長
(1)大町ふるさと館については、今年4月から新しい指定管理者の元、施設管理者が行う施設の維持管理に関する業務に加え、「アンテナショップふるさと館」としてのコンセプトを踏まえた経営で自主的な運営が行われています。
店内においては、ふるさと納税返礼品の展示販売の他、町が進めるワインプロジェクトのPR、そして、町民の皆さんからの提案も積極的に受け入れて、地元農産品の販売なども行われています。
7月からは、食堂コーナーが「ふるさとダイニング」と変わり、たろめんに定食、そして弁当、惣菜の出前を行うなど、今までと違った目線で運営されているところです。
(2)受託事務管理運営の引継ぎで問題がありましたが、現時点では復旧しており、順調に運営されています。これから年末に向け、繁忙期に入りますので、全国の皆さんに大町町のふるさと納税に興味を持っていただけるよう、新たな受託業者と共にアイデアを共有し、鋭意努力をしていきたいと考えています。
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