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教育長コラム

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佐賀県神埼市

・教育長 末次 利明

◆『生成AI(ChatGPT)をご存じでしょうか?』
少しずつ朝夕の気温が下がり、秋らしい季節になってきました。今回は『生成AI(ChatGPT)』について考えてみました。
皆さんは「ChatGPT」という言葉を聞かれたことがあるでしょうか。最近、テレビのニュースなどでよく耳にする言葉です。近年、人工知能(AI)の発展はめざましいものがあり、その進化は私たちの日常生活に大きな影響を与えています。その中でも、ChatGPTは私たちと自然な会話を行うことができる大規模な言語モデルとして紹介されています。
ChatGPTは、大量のテキストデータを学習して人間のように文章を生成し、質問に答えたりさまざまな話題について語ったりすることができます。その驚くべき点は、単なる情報提供だけでなく、対話の流れを持ち、使用する人とのコミュニケーションを通じて学習し成長することです。
この技術の進歩は、教育やビジネス、顧客からの相談など、さまざまな領域で重要な影響を与えているといえます。例えば、教育分野では、生徒が質問し、疑問を解決する際の手助けとして活用されることが考えられます。また、ビジネスでは、顧客の問い合わせに迅速に対応したり、製品情報を提供したりする場面でも役立つと考えられています。
しかし、ChatGPTの利用には注意が必要です。人工知能が生成する情報は、必ずしも正確とは限りません。誤った情報を提供する可能性や、倫理的な問題を引き起こす可能性もあるため、常に慎重な判断が求められます。技術の進歩に伴い、適切なガイドラインや監視体制を確立することが重要になります。実際に、私自身もChatGPTを利用したことがありますが、誤った情報が含まれていることがありました。利用するときは、そのまま活用するのではなく、根拠や正確性、表現の偏りなどをチェックする必要があると思います。
一方、参考になる点もたくさんありますので「うまく使ったらとても便利だろうな」と思いました。また、学校現場では、文部科学省や県教育委員会から『生成AI利用ガイドライン』の策定についての通知文が作成されました。その中には、保護者へ向けてのリーフレット『家庭における生成AIの取扱いについて』が作成され、市内小中学校から配布されています。ChatGPTは小学生では使用できないことになっていますし、中学生や高校生においても保護者の同意が必要になっています。
リーフレットの中には、生成AIが作成する回答には、多くの利便性の反面、次のような問題があることが記載されています。

・思考力への影響
生成AIで作成された文書を丸写ししたり、正しいかどうか疑わずに利用したりすることで、子どもたちの考える力や判断する力が育たなくなる。

・個人情報の流出
質問に個人情報を入れてしまうと、他の人が質問した際に、自分が入力した個人情報が表示されてしまう可能性がある。

・著作権侵害のリスク
生成AIが作成した情報の中に、著作権を持った作品等を表示する可能性があり、確かめずに利用することで、著作権を侵害する危険性がある。

学校現場では、教育効果と将来のデジタル社会への対応を考えつつ、子どもが生成AIを安易に利用することがないよう、適切に対応していく必要があると考えます。

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