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診療所だより

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佐賀県神埼市

◆新型コロナウイルス感染症は終息するのか?
現在になっても、一向にコロナは終わらない。それどころか近頃感染者が増加しており、第9波到来ではと危惧されている。そこで、コロナは本当に終息するのだろうかと疑問が湧いてきます。
さて我が国に新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)が登場して約3年半が経過しました。日本ではすでに約3,500万人が感染を経験しています。多くの人が感染を経験し、あるいはワクチンを接種すれば、集団免疫が出来て、コロナは収まるだろうと見込まれていたのに現実は違っていたようです。

◇コロナウイルスの特徴
(1)他のウイルスも同じですが、極めて小さいこと。直径0.1ミクロン(1mmの1/10,000)です。スギ花粉の1/300、細菌の数十分の1の小ささです。質量は無いに等しいので空気中を長時間浮遊できる。

(2)増殖力が大きいこと。1個のウイルスが1日で100万個になる。2~3日すれば天文学的数になります。

(3)インフルエンザウイルスと同じようにこのウイルスはたびたび遺伝子変異を起こす。そのため2度目の感染もあるし、ワクチンを複数回接種しても感染を防げないこともありえる。

◇有効な感染対策はあるのでしょうか?
・3密の回避
最も効果的ですが、経済が回らなくなるので、長くは継続できない。

・マスク
マスク着用率が日本ほど高い国は他にないのではと思えるほど高いですね。マスクをしていると外界から遮断されているような感覚になるのでしょうが、ウイルスは不織布マスクの網目の数十分の1と小さいし、凸凹した顔面をマスクで隙間なく覆うことはできない。特に鼻のあたりに隙間ができやすい。隙間が1mmでもあれば、ウイルスにとっては無限大の出入り口となります。マスクがある程度防げるのは飛沫(咳などで排出されるウイルスを含む粘液の粒)のみです。感染を予防するためのマスクの効果は皆さんが思っているほど大きくないと思われます。
ところでアメリカ人はほぼ100%無マスクです。しかしコロナ感染率は日本人とさほど変わりないです。

・手指の消毒
手指に付着したウイルスは口に付き、唾液や飲食物とともに飲み込まれ、胃腸に入るでしょう。しかし口から肺の方へは移行することはあまりないと思われます。急性腸炎を起こすノロウイルスには効果的であっても、呼吸器疾患であるコロナに対する予防効果はあまりないのではと思われます。

・ワクチン
それならワクチンに期待がかかります。我が国では3回以上接種済の割合は約70%もあります。しかしながら現状はどうか。わが診療所で、コロナと診断された患者さんの中にはなんと5回、6回の接種済の方もいらっしゃいました。残念ですが、これまでのところワクチンの効果は期待外れの印象です。

◇まとめ
結局、コロナに対して決定的に有効な感染防止対策は無かったといえます。幸いなことに、現在流行中のオミクロン株では、症状はインフルエンザ並で、重症肺炎はめったにないようです。重症化して亡くなる人はもともと状態が悪かったのだろうと推察されます。しかしまだまだ社会はコロナに対して過剰に反応しているような印象です。おそらくコロナは数年で無くならないでしょう。最終的には数多くある風邪ウイルスの一つとしていつまでも残るような気がします。仲良くはなれないけど、過剰に恐れず永く付き合っていくしかないのではと思われます。

国民健康保険脊振診療所 牛島 幸雄

問い合わせ:
〒842-0201 神埼市脊振町広滝555番地1
【電話】59-2321

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