◆胃内視鏡検査を受けると、たびたび付いてくる病名「逆流性食道炎」と「萎縮性胃炎」
検診などで胃内視鏡検査を受けた人はお気づきと思いますが、“異常なし”と判定されることはめったにないです。大抵は逆流性食道炎と萎縮性胃炎のどちらか一方または両方の診断名が付いてきます。何にも症状がないのに、なんで~?と疑問が生じ、心配される人もいらっしゃるのではないでしょうか。
そもそもこの2つの病気?はどんなものでしょうか。
◇逆流性食道炎とは
文字通り胃酸が食道へ逆流を繰り返すことによって、食道と胃の境目の、食道側にタダレが生じることです。ひどい場合は下部食道全周にタダレが生じますが、一般的にはごく軽症で、無症状のことが多いです。胸やけがあれば、よく効く薬があります。しかし逆流性食道炎が完治することはありません。
◇萎縮性胃炎とは
胃粘膜の萎縮は加齢によっても生じますが、ピロリ菌が胃に感染すると、年齢の割に萎縮が早く進みます。若い胃粘膜はピンク色で柔らかい感じですが、萎縮した粘膜は荒れた感じです。
萎縮が高度になると、がんが発生しやすいということが分かっています。ピロリ菌検査で陽性であれば、萎縮がなるべく進まないうちに除菌治療(菌を抗生剤で殺す)を受けてください。ただし萎縮してしまった胃粘膜は元に戻ることはありません。
◇結論
胃がん検診を受ける年代にもなると軽症の逆流性食道炎と萎縮性胃炎は、ほぼ誰にでもあるものと思ってください。胃内視鏡検査でこの診断名が付いてきたとしても、心配することはありません。
胃内視鏡検査は胃がんを発見するのに最も優れた検査です。1~2年毎の胃内視鏡検査をおすすめします。
国民健康保険脊振診療所 牛島 幸雄
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