◆「鏡開きとお火たき」
あけましておめでとうございます。
年が明けて11日は鏡開きですが、お正月の間、家の中での歳神さまの居場所は鏡餅なので、松の内が終わり鏡開きをすることで歳神さまを送り出します。その鏡餅は、歳神さまが正月にずーっと居た所ですから特別な力が宿っています。この餅をぜんざいや煮餅にして食べることによって、無病息災、家内安全が得られる…というわけです。
あずきがたっぷり入ったぜんざいも美味しいですが、シャキッとした香りの高い若高菜を入れた煮餅も、佐賀では昔からよく食べられていて、新春ならではの身体に良い美味しいものだと思います。
ただ、鏡餅はとても固くなっていて割るのは大変です。刃物を使うのは縁起が悪いとされていますから、タオルなどの布を当てて、とんかちで割って、それを容器に水を張って保存します。あまり大きくない餅でしたら、ラップに包んでレンジでチンが便利ですが、時間に気をつけないと原型がなくなって始末に負えなくなります。
そして、鏡開きが終わる頃や、その前の七草を食べた松の内が終わる頃になると、ほとんどの家が門松やしめ縄を外しますが、問題なのはこの後です。燃えるゴミと一緒に縁起物を出すのは、はばかられます。それで、神社のお火焚きの時にお願いを…。
各地の神社でも行われていると思いますが櫛田宮では、1月15日の夕方、神事の後にお火焚きがあります。
元々は古いお守りやお札をお焚き上げしていたのがお火焚きで、しめ縄や門松などの大きな物は、地区のどんど焼きやほんげんぎょうで焚いていたのですが、近年、地域で行われていたこんな行事が無くなってしまいました。ただ、しめ飾りに付いている飾りのプラスチックやビニールなど燃やすと有害な煙が出る物は必ず外して下さい。
神事のあと暗闇の中で宮司さんが火を放ち、その炎がパチパチと音を立てて上がる時、安寧を祈る気持ちが心からわき上がります。
どうか令和7年が良い年になりますように。
文化財観光案内専門員
執行 真知子
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