■1984(昭和59年)〜1993(平成5年)
昭和29年4月1日に、鳥栖町、田代町、基里村、麓村、旭村の2町3村が合併して鳥栖市が発足。令和6年4月1日で市制施行70周年を迎えました。『市報とす』では、数回に分けて、当時の広報紙で鳥栖市の歩みを振り返ります。
◇第519号[昭和59年6月1日発行]
第1回市消防操法大会の様子。市制施行30周年を機に、団員の消防技術の錬磨や団体行動の習熟など、消防体制の確立を目的に始まり、現在も行われている同大会。第1回は、小型ポンプの部で第4分団第1部(牛原町)、ポンプ車の部で第5分団本部(旭)が優勝しました。また、2年後の1986(昭和61)年には県消防操法大会のポンプ車の部で、第2分団本部(基里)が初優勝を果たしています。
◇第612号[昭和63年4月15日発行]
第1回とす弥生まつりで行われた大声大会の様子。叫んでいる言葉は「伸ばそう下水道!」です。
現在の市内の下水道普及率は99・7%(令和4年度)ですが、市内での下水道の一部供用開始は1990(平成2)年3月で、それまで公共下水道はなく、河川の水質汚濁や悪臭が問題になっていました。1975(昭和50)年に公共下水道事業の認可を受けて以降、下水道への市民の理解を深めるためにさまざまな取り組みが行われ、この大声大会もその一つ。また、各家庭のトイレの水洗化工事も必要になることから『下水道貯金』も呼び掛けられていました。
◇第643号か[平成元年8月1日発行]
日本住血吸虫病(日住病)の中間宿主『ミヤイリガイ(宮入貝)』の生息調査の様子。日住病は、九州では筑後川流域でのみみられた風土病で、40度近い高熱や肝硬変などを引き起こし、死亡者も出た病です。市では宮入貝撲滅のため、1951(昭和26)年度から1981(昭和56)年度まで、延べ22万6,000メートルにわたる用水路のコンクリート化などを行い、この生息調査の翌年1990(平成2)年3月30日に、念願の『安全宣言』が行われました。なお、宮入貝が日住病の中間宿主であることを突き止めたのは、九州医科大学(現在の九州大学医学部)の宮入慶之助教授で、1913(大正2)年に基里村(現在の酒井西町)で新種の貝を発見し、特定。宮入教授の功績を称える学勲碑が、基里運動広場に建立されています。
◇第662号[平成2年5月15日発行]
鳥栖市と久留米市、小郡市、基山町でつくる『筑後川流域クロスロード協議会』の記念式典で、がっちりと手をつなぐ当時の首長ら。
1984(昭和59)年に久留米・鳥栖地域がテクノポリス地域(最先端技術の集積都市)として国の承認を受け、鳥栖市では『西部工業団地の造成』『北部丘陵新都市(弥生が丘)の開発』など大型事業が本格化しました。久留米市のほか、小郡市と基山町でも大型住宅団地の造成などが進んでおり、4市町は地域全体を1つの都市圏ととらえた地域づくりを進めるために、県境を超えた連携をスタート。初の共同事業として、1987(昭和62)年に全面供用を開始した鳥栖ジャンクションに、約17,000本のつつじが植えられました。
◇第694号[平成3年9月15日発行]
スポーツ都市宣言記念事業『宝くじスポーツフェア・あなたのまちに名球会がやってくる!』の様子。市は、1991(平成3)年8月18日に『スポーツ都市宣言』を行い、同年9月1日に記念事業を実施。プロ野球界往年のスターを一目見ようと、市民球場には約5,000人が駆け付けました。
◇第715号[平成4年8月1日発行]
映画『月光の夏』の市内での撮影風景。同映画は、第二次世界大戦終戦間近の1945(昭和20)年、出撃を目前にした2人の特攻隊員が鳥栖国民学校(現在の鳥栖小学校)を訪れ、この世の名残にとグランドピアノでベートーベンの『月光』を奏でたという実話をもとに創作されたものです。1992(平成4)年に行われた撮影は、田代小学校や鳥栖山笠など市内でもあり、翌年全国で上映されました。題材になったドイツ製のピアノは、平和の象徴『フッペル』として今も大切に保管されています(現在はサンメッセ鳥栖に展示)。
◇第731号[平成5年4月1日発行]
平川朴山さんの紹介。この731号から市報のデザインが刷新され、題字は、鳥栖市出身の前衛書家で、当時は85歳になり市内で後進の指導をしていた平川さんの書き下ろし。この題字は現在の市報にも使用しています。
◇738号[平成5年7月15日発行]
久光製薬(株)鳥栖工場の体育館で開かれた少年サッカー教室の様子。1993(平成5)年7月に、同社がヴェルディ川崎(現在の東京ヴェルディ)のラモス瑠偉さんらを招いて開催し、九州全域から小学生300人が参加しました。
同年8月、鳥栖市はPJMフューチャーズ(サガン鳥栖の前身)のホームタウン誘致を決定し、スタジアム建設などの方針を固めました
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