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兵庫県知事 齋藤元彦、今、みなさんと。 vol.020

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兵庫県

■特別対談 未来のヒーローを兵庫から
齋藤元彦 兵庫県知事×近本光司さん 阪神タイガース
不動の1番打者として、阪神タイガースのセ・リーグ優勝と日本一に貢献した近本光司さん。淡路島出身の近本さんと、スポーツが持つ力や子どもたちの成長につながる環境づくりなどについて語り合いました。

・近本光司(ちかもと・こうじ)さん
「何事にも挑戦を!その経験が将来きっと生きる」
1994年淡路市(旧東浦町)生まれ。県立社高校から関西学院大学、大阪ガスを経て、2018年ドラフト1位で阪神タイガースに入団。23年は選手会長としてチームをけん引し、盗塁王、ベストナイン、ゴールデン・グラブ賞を獲得。日本シリーズでは歴代3位の14安打を放ちMVPを受賞。

・兵庫県知事 齋藤元彦
「兵庫の未来を担う若者の挑戦を応援したい」

◆38年ぶりの日本一に大きく貢献
齋藤:18年ぶりのセ・リーグ優勝、38年ぶりの日本一、おめでとうございます。選手会長も務める中、大活躍のシーズンでした。
近本さん:ありがとうございます。甲子園で、大勢のファンの前でリーグ優勝を決められたのは本当にうれしかったです。
齋藤:日本シリーズではMVPに輝きました。
近本さん:オリックスの投手陣は、どの球種も威力、切れ味が抜群でした。レギュラーシーズン同様、ストライク、ボールをじっくり見究めていたらあっという間に追い込まれるので、初球から振っていきました。タイミングが合えば、「いったれ」って感じで(笑)。
齋藤:それでヒットを量産するとは、さすがの勝負強さですね。

◆部活動に打ち込める環境を整備
齋藤:近本さんは淡路島で生まれ、加東市の社高校へ進まれました。私立の野球強豪校が多い中、なぜ県立高校を選ばれたのですか。
近本さん:当時の監督が淡路まで練習を見に来られて、初めて社高校のことを知りました。県立高校で唯一体育科があって、スキーやゴルフといった実習も充実している。いろいろ体験できて面白そうだなと思いました。
齋藤:子どもたちが勉強や部活動に打ち込める環境を整えるのも行政の務めです。県では生徒ファースト予算を組み、2023(令和5)年度から6年かけて県立学校の環境整備※1を進めています。具体的にはグラウンドの人工芝化や部活動の備品更新、選択教室の空調整備などです。備品更新については「生徒裁量予算枠」を設け、生徒会や校内アンケートで使い道を決めるようにしました。
近本さん:生徒たちが自ら考え、決定するというのはいいですね。
齋藤:県立高校から大きく羽ばたく人材がたくさん育ってほしいという思いを込めています。

◆子どもたちに本物との出合いを
齋藤:県では23年度からスポーツ行政を知事部局に移し※2、スポーツによる地域活性化に一層力を入れています。例えば、県内のプロスポーツクラブと連携し、観戦招待やスポーツ教室を通して、子どもたちがプロスポーツを肌で感じる機会を設けています。
近本さん:本物に触れるのは有意義なことだと思います。以前、自主トレがご縁で鹿児島県の沖永良部島の子どもたちを京セラドーム大阪に招待しました。みんなが試合の感想を口にする中、「あんな大きな建物をどうやって造ったのだろう」と言った子がいました。これも本物との出合いです。この子は野球観戦がきっかけで建築に興味を持つようになるかもしれません。小さい頃からいろんなものに触れることが、将来の選択肢を増やすことにつながると思いました。
齋藤:試合観戦を通して競技の魅力以外にも気付きがあるというエピソードは興味深いです。スポーツは子どもたちの人生の幅を広げるきっかけにもなるのですね。ところで、近本さんはふるさとの子どもたちとの交流も大切にされていると聞いています。
近本さん:シーズンオフにスポーツ教室を開いています。社会人時代、自分が子どもの頃にしてもらったように、僕も地元の次の世代のために何かしてあげたいと思うようになり、プロに入って実現できました。

◆未来のヒーローたちへ
齋藤:最後に兵庫の子どもたちにメッセージをお願いします。
近本さん:興味があるのなら何事にも臆することなくチャレンジしてほしいです。そこで感じたことや考えたことは、その先の人生に必ず生きると思います。
齋藤:県としては近本さんに続く、第一線で活躍するヒーローを輩出できるよう、子どもたちの挑戦を後押ししていきます。本日はありがとうございました。

※1 県立学校の環境整備6年間に約300億円を集中投資して生徒ファーストの視点に立った備品や空調、人工芝グラウンドの整備等を進めています。備品の整備では「生徒裁量予算枠」を設定し、生徒が話し合って使い道を決めました。
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※2 スポーツ行政の知事部局移管スポーツの魅力を地域活性化等に生かすことを目的に移管。プロスポーツクラブと連携し、地域創生に向けた取り組みを開始。さらに、「HYOGOスポーツ新展開検討委員会」を設置し、人材育成や地域スポーツの環境整備等に向けた議論を行っています。

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