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地域で輝く人に聞くFile_23「SUNだなヒト。」

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兵庫県三田市

■子どもに教え、教えられ信頼がつなげる人の輪が地域の未来を育てる
▽高平さとカフェ子ども教室寺子屋の皆さん Terakoya(下里(しもざと))

「子どもたちから教わることもたくさんあります」―子どもの純真な心にふれ、「初心に立ち返れたこと」「コミュニティの中で成長できること」「生まれ育った地域の温かさは特別であるということ」など。高平地区で子どもに勉強を教える高平さとカフェ子ども教室寺子屋の皆さんが熱く語ってくれた。
立ち上げたのは丹羽弘子さん。きっかけは当時大学生だった息子から「地域の子どもに勉強を教えたい」と相談されたことだった。「息子の気持ちを叶えてあげたいのが親心」。教える場所は開設して間もなかったコミュニティカフェ「さとカフェ」が最適だと考え、高平郷づくり協議会の部会長に相談すると快諾してもらい、平成29年にカフェの一角で、寺子屋の活動が始まった。
当時は参加者がいない日もあったが、いつか来てくれる子どもたちのために休むことなく活動を続けたことで、今では多い時には20人以上が集まる。習い事などで参加できない子どもたちのため、放課後の小学校で開く「飛び出せ!寺子屋!」も始めると宿題達成率が向上し、先生だけでなく、週末の家族の時間が増えたと親たちにも好評だ。教えるスタッフは、地域の大学生や市外の数学検定1級保持者など多様な人材に恵まれ、勉強の枠を越え経験を積める場にもなっている。スタッフの寺崎さんの趣味を生かした天体観望会がきっかけで宇宙飛行士を志し、勉強に励み大人顔負けの知識を披露する子どももいると言う。
丹羽さんには、かねてからサードプレイス(第3の居場所)を作りたいとの想いがあった。学校や家庭以外で、子どもも親も一息つけ、時に悩みを相談できる場所。丹羽さんは寺子屋にその可能性を感じている。大学生スタッフの奥田夏子さんは、ずっと通っていた子が卒業間近に家庭の悩みを打ち明けてくれたことが忘れられないと言う。「『寺子屋には相談できる大人がいる』と思ってもらえる場所にしたい」と熱意をのぞかせた。
「人が集まる鍵は信頼」と丹羽さんは語る。信頼は波及し安心感を生むことで、人をつなげていく―そう確信し、寺子屋は今日も扉を開けて待っている。

▽寺子屋で漢字や数学の検定に挑戦する馬渡玲子(まわたりれいこ)さん・桜鳳(さほ)さん
孫の付き添いで訪れたところ、誘われて一緒に勉強するように。孫は大学生のお姉ちゃんお兄ちゃんに優しく教えてもらい、検定は全て一発合格。こんな場所が地域にあることが誇らしいです。

ラジオ・ハニーFMでもっと詳しく聴けます!
日時:10/17 15時10分~

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