人々の心を豊かにしてくれる桜―三田には、約30年前に植樹され武庫川沿いをピンク色に染めるソメイヨシノや、里山に生育するヤマザクラなどがあります。いずれも人が手をかけて保全しないと、桜の咲き誇る春の風景が三田市から失われてしまいます。
そこで、三田市は令和4年「三田さくら物語」をスタート。桜を「育む」「守る」「つなぐ」「楽しむ」の4つを柱に、ふるさと三田の春の風景を後世に伝え残すための取り組みを進めています。
この取り組みを知り、できるところから実践し、桜咲くふるさと三田を守っていきませんか。
■「育む」桜を育み、ふるさと三田への想いを育む
▽市民の皆さんと
◎こうみん未来塾*「武庫川たんけん!」
樹木医から、桜をはじめとした樹木の特徴などを説明してもらいながら、武庫川を探検しました。
*地域や教育機関、民間企業などと連携して、子どもの学びや体験の機会を創出する取り組みです。
◎三田さくら里親事業
令和4年6月に「さくらの里親会」を開催し、25人が参加しました。ヤマザクラの特徴や苗の栽培方法などを学び、市内の里山で種を採取。種を自宅に持ち帰り、苗に育てています。
◎インタビュー
自然が好きで、日本を代表する花木である桜を次の世代につなぎたいと思い参加しました。水はけの良い土に植え、乾燥を避けるため適度に水やりをしたり、暑い日には日陰に移したりと世話が必要。だから、芽を出してくれたときはうれしかったです。花が咲くのには何年もかかりますが、この取り組みに、もっとたくさんの人たちが参加し、盛り上がってほしいです。
(さくら里親事業の参加者)
▽専門機関と
◎ヤマザクラの苗づくり
県立人と自然の博物館に委託し、三田の里山に自生するヤマザクラを種子から苗に育てる事業を行っています。苗木は学校や公共施設、事業所などへ植樹。また、武庫川沿いの弱った桜と植え替える予定です。
◎インタビュー
兵庫県立人と自然の博物館副館長兼自然・環境再生研究部長 石田弘明(いしだひろあき)さん
古来、人と共存してきたヤマザクラやカスミザクラは寿命が数百年と長く、乾燥に強いのが特徴です。三田の里山に古くから自生し、気候風土に適しています。全ての桜に重要なのは“たくさんの光”。昔の里山は燃料用の樹木の伐採が頻繁に行われていたため明るい環境が広がり、桜をはじめとする多種多様な生き物が育まれていました。しかし、生活様態が変化した現代で桜を守るためには、意識的に環境を整える必要があります。「三田さくら物語」を通じて、桜などの身近な生き物に興味を持ち、自然に親しみ、そこから自然を守り育てる取り組みにつながっていけばうれしいです。
■「守る」桜が健康に生育できる環境を守る日出坂せきもりの会
實会長 松下和實(まつしたかずみ)さん
藍本(あいもと)の日出坂(ひでさか)地区を流れる武庫川は、川幅が狭く曲がりくねっているため、度々氾濫し、浸水被害を引き起こしてきました。一方で、この地形のおかげで、多様な生き物が生息する豊かな自然環境が作られてきました。生態系を守りながら氾濫を抑えるため、自然石や土、木材を使った「多自然型川づくり」を用い、「日出坂洗いぜき」が完成しました。「日出坂せきもりの会」を発足させ、周辺の環境保全や利活用促進を図っています。また、地元の子どもたちと共に桜などを植樹し、「さくらの守(も)り人(びと)事業」として、日頃から状態観察し、草刈りや肥料やり、ごみ拾い、獣害対策なども行っています。人の管理が行き届いた桜は、生き生きしているのが一目でわかります。近くには「丸山(まるやま)」と呼ばれるきれいに整備された桜の名所もあり、その高台からの眺(なが)めは絶景です。この景色や自然は私たちの“宝物”。力を合わせて守っていきたい。
■「つなぐ」桜咲くふるさと三田を次世代につなぐ
▽クラウドファンディング
桜咲くふるさと三田の景色を次世代につなぐため寄付を募集中です。寄付金は「三田さくら物語」の取り組みに活用します。皆さまのご協力をよろしくお願いします。
申し込み方法:3月31日までに、ふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」
▽企業版ふるさと納税
市の地域創生の取り組みを応援いただける企業を募集しています。使い道に「三田さくら物語」も指定できますので、ご協力をよろしくお願いします。
詳細や寄付いただいた企業などは市HPをご覧ください
問い合わせ:まちのブランド観光課
【電話】559-5012【FAX】559-5024
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