市は新病院の整備に向け、令和7年2月に「新病院基本計画」を策定しました。
三田市に、今暮らしている人たちだけでなく、次の世代の人たちが、これからも安定して質の高い医療を受けられる体制を守るために、新病院の整備は必要不可欠です。
今号は「新病院基本計画」の概要とともに、新病院の整備費用の高騰などによる市の財政への影響を試算した「財政収支見通し」と、その対応方針を示した「三田市未来への財政ロードマップ(骨子)」についてお伝えします。
■新病院のすがた
▽新病院の特徴
(1)救急医療の充実
高度な治療を提供できる集中治療室25床を整備。年間1万4千件の救急患者を受け入れできる体制を整えます。
(2)小児・周産期医療の充実
小児地域医療センター、地域周産期母子医療センターの指定を取得し、ハイリスク妊婦や低出生体重児などのハイリスク新生児への対応など高度な小児・周産期医療を提供します。
(3)診療機能強化による地域完結型医療の提供
可能な限り他の地域に依存しない医療体制の確立を目指し、心臓血管外科の新設、脳神経外科の充実、がん診療機能の強化を図ります。
(4)新興感染症への対応強化と安全安心で快適な療養環境の提供
原則、全室個室とし、徹底した感染対策や患者プライバシーの確保により、安全で快適な療養環境を提供します。
(5)災害医療への対応
災害拠点病院の施設基準に準ずる施設として、自家発電設備や駐車場を利用したヘリコプター発着エリアを整備します。また、周辺地域の傷病者も受け入れできる体制を整備します。
(6)医療従事者にも選ばれる病院
診療機能の強化を図るとともに教育研修機能を充実させ、医療従事者にとって魅力的で働きやすい病院にすることで医療人材を確保し、安定した医療提供体制を構築します。
■病床数全425床
・集中治療室…25床
ICU(特定集中治療室):6床
HCU(高度治療室):10床
NICU(新生児集中治療室):9床
・一般病床…400床(全室個室)
▽病床数は足りるの?どうやって決めたの?
医療需要がピークとなる時点(令和17年)での1日あたりの想定入院患者数は382.8人です。
その人数に対し、安定した経営に必要とされる病床稼働率90%を踏まえ、病床数を算出しています。
想定入院患者数382.8人÷稼働率90%=約425床
■診療科目
▽全35診療科
現在、三田市民病院と済生会兵庫県病院が標ぼうしている23診療科に加え、新たに12診療科を整備します。
想定手術件数:5千件(年間あたり)
想定外来患者数:957人(1日あたり)
■施設
▽土地
所在地:神戸市北区長尾町宅原(ながおちょうえいばら)
敷地面積:約76,000平方メートル
▽建物
6階~8階建てを想定
建築面積:約10,000平方メートル
延床面積:約41,000平方メートル
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