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歴史と未来の架橋14

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兵庫県上郡町

■高田駅家(たかたのうまや)跡(辻ヶ内遺跡)
上郡町には、奈良時代に古代山陽道が町域を横断するように敷設され、播磨国の駅家のうち、2駅が設置されました。一つは国指定史跡となっている野磨駅家(やまのうまや)ですが、もう一つが高田駅家(たかたのうまや)になります。
高田駅家(たかたのうまや)跡は、神明寺で古瓦が採集されていたことから、長らく神明寺(じみょうじ)遺跡であると考えられていました。しかし、その中心であると考えられていた願栄寺の境内に塔心礎(とうしんそ)と考えられる庭石があることから、駅家(うまや)跡ではなく寺院跡であるとの指摘がされていました。
平成20年に兵庫県立考古博物館と上郡町教育委員会で行った分布調査によって、佐用谷の一画で須恵器や瓦などの遺物の散布を確認しました。
小字名を調べたところ、遺物を採集した地点の字名は「辻ヶ内」であり、辻ヶ内遺跡と命名しました。また、県道5号姫路上郡線を挟んで南側の小字は「大道(だいどう)ノ下」であり、遺物採集地の北東側の土地の小字は「前田」でした。「大道(だいどう)」とは古代山陽道のことを指し、「前田」は「駅家田(まやた)」が転訛(てんか)したものと考えられます。令和元年度~2年度に県立考古博物館が範囲確認の発掘調査を行ったところ、高田駅家(たかたのうまや)跡の西側と南側の築地塀(ついじべい)痕跡を確認しました。また、播磨国の駅家に共通して用いられている播磨国府系瓦(はりまこくふけいがわら)も出土し、辻ヶ内遺跡が高田駅家(たかたのうまや)跡であることが明らかとなりました。出土した瓦の中には、南門の棟を飾っていた鬼瓦が出土しており、ほぼ完全な形に復元されています。この鬼瓦は、播磨国府系瓦(はりまこくふけいがわら)の中では未だ発見例のない新型式の鬼瓦であることが判明しています。現在、兵庫県立考古博物館の特別展「駅家発掘!」で公開されていますので、ぜひご覧ください。
(12月3日(日)まで)

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