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歴史と未来の架橋11

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兵庫県上郡町

■與井(よい)廃寺から出土した礎石(そせき)
上郡町役場第3庁舎(郷土資料館)の前庭部入口脇に一つの大きな石があります。
これはただの庭石ではなく、赤穂郡唯一の古代寺院である與井廃寺から出土した礎石です。礎石とは、瓦葺きなどの重量がある建物を建てるときに柱の下に敷く石で、柱の沈下や腐食を防ぐ目的がありました。古代では一般的な建物に用いられることはなく、寺院や官衙(かんが)(役所)の格式が高い建物にしか用いられませんでした。
この礎石は、平成30年度の與井地区急傾斜地対策事業のときに、仮設道路の設置中に誤って掘り出されたものです。幸い後世の攪乱(かくらん)で遺跡には影響がありませんでしたが、埋め戻すのはもったいないので、郷土資料館で屋外展示することになりました。
礎石は上面に直径約68センチメートル、高さ約3センチメートルの円形の柱座(ちゅうざ)を削り出しています。このような礎石を円形造り出し柱座礎石といいます。
古代寺院の礎石でこのような細工を行うものは多くはありません。與井廃寺を創建した人物は、寺院建築をよく理解し、格式高い寺院を建立しようとしたと考えられます。

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