歴史と未来の架橋(12)

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■シバタ式農機具
「柴田工業」という会社をご存知でしょうか?
柴田工業は、かつて上郡にあった農機具メーカーです。創業は大正2年、柴田三代治氏が農家の声に応える形で除草機を開発したのが始まりでした。以後、改良を重ねた除草機は、人力除草の苦労が減ったため、農家から大好評で迎えられ、柴田工業を代表する農機具として生産・販売されました。
除草機以外にも、米選(べいせん)機や籾摺(もみす)り機、俵締め機などを生産し、特に足踏み式脱穀機は、ボールベアリングを採用した国内初の農機具で、新案特許登録されました。
これら柴田工業の農機具は、「シバタ式」の名で全国の農家に愛用され、東アジアから、東南アジアまで輸出されるほど人気を博しました。
戦後、クボタやヤンマー、ヰセキなどの大規模農機具会社との技術革新競争に追従できず、幕を降ろしましたが、日本の農業史に「シバタ式」の名は燦然(さんぜん)と輝いています。