■「すべての世代が愛着を持ち、住み続けられる町」をめざして
上郡町長 梅田修作
明けましておめでとうございます。
輝かしい新春を健やかにお迎えのことと心よりお慶び申し上げます。
日頃から町政の推進に、ご理解とご協力を賜り、深く感謝申し上げます。
全国的な少子化が進む中、上郡町でも平成27年には70人だった出生数が令和元年には33人にまで減少しました。これを受け、「子どもと環境をより大切にする町」を目標に掲げ、出産祝金や子育て応援給付金制度を新設。妊娠期から子育て期まで一貫した相談窓口のワンストップ化を図った「こども家庭センター」を、昨年4月に健康福祉課内に設置しました。また、5月に播磨地域初の「オーガニックビレッジ宣言(※1)」を行い、有機農業の推進と無農薬農産物を使用した学校・こども園の給食を通じ、食育の充実を図っています。これまでの取り組みもあってか、令和5年には出生数が64人に増加し、若者世代に選ばれる町づくりの成果が見られるようになりました。今後も安心して子育てができる環境を整え、上郡町の良さを知っていただき、移住や定住につながるよう取り組んでまいります。
また、持続可能な地域づくりを推進するため、民間が持つアイデアや知見を活用し課題解決へと大学や企業との連携も進めています。早稲田大学人間科学学術院の協力のもと設置した「さとラボ」では、移住者カフェ、中高生の放課後の居場所づくりが行われており、町民自らやってみたいことを町が積極的に後押し、実現できる場として活動の幅を広げています。「さとラボ」でテーマを決めて語り合う「未来セッション」をきっかけに、高田地区では町民主体の活動からコウノトリの巣塔完成につながりました。大変嬉しく思っております。
昨年11月には公民連携推進機構と協定を締結し、町内事業者の収益拡大やDX(※2)人材育成、町民サービス向上に取り組んでいます。12月からは「デジタル住民票(※3)」の募集を開始し、全国に上郡ファンが増える取り組みにも力を入れています。
町民の皆様が不安に感じておられる産業廃棄物最終処分場の建設計画については、清流千種川に代表される類い希な自然環境を守るため、引き続き県や近隣市町とも連携を密にしながら、適切に対応を図ってまいります。
本年は町制70周年(※4)を迎えます。昨年秋には特別展示「かみごおりの70人」を開催し、4月には記念式典を予定しています。
本年も様々な課題と向き合いながら、上郡町が、「すべての世代が愛着を持ち、住み続けられる町」を目指し、全力で取り組んでまいりますので、今後ともご支援、ご協力をお願い申し上げます。結びに、皆様にとりまして令和7年が良い年となりますようご祈念申し上げ、新年のご挨拶といたします。
(※1)オーガニックビレッジ宣言有機農業の生産から消費まで一貫し、農業者のみならず事業者や地域内外の住民を巻き込んだ地域ぐるみの取組を進める市町村のこと。
(※2)DXデジタルトランスフォーメーションの略。ビジネス環境等の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること、と経済産業省は定義している。
(※3)デジタル住民票デジタル上で発行された住民票を購入した人が、該当自治体に住んでいなくてもその自治体のデジタル住民になれる仕組み。法律上の住民にはなれない。発行自治体が、関係人口の拡大や、地域の魅力発信を目指して実施する取り組み。
(※4)町制70周年昭和30年3月25日の1町4カ村の合併による。
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