春日地域の山あいにある県立氷上高等学校の女子バレーボール部は、令和6年1月4日(木)に東京体育館で開催される全日本バレーボール高等学校選手権大会(通称・春高バレー)に5大会連続39回目の出場に向けて日々、練習に汗を流しています。
市内だけでなく、県内外からバレーで活躍することを志したメンバーは31人。全員が生活ビジネス科に所属し、寮に入り、3年間同じクラスで過ごします。練習時間は始業前も合わせて3~4時間。コートが一面とれる広さの専用体育館など整った環境の中での練習により、これまで全国高校総体と春高バレーで計6回優勝。日本代表として平成24年のロンドン大会に出場し、銅メダルを獲得した井上香織さんら五輪選手を輩出しました。
今回は全国の舞台で活躍する県立氷上高等学校の女子バレーボール部にスポットをあてました。
■氷上高等学校女子バレー部の伝統
練習前に必ず行う「コール」。体育館正面に掲げられた横断幕の文字「私たちは絶対に勝つ私たちにはその力がある」を2回読み上げるこの姿は、これまでに全国の舞台で活躍した先輩たちから受け継がれてきました。
■主なこれまでの成績
昭和61年8月 昭和61年度全国高等学校総合体育大会優勝
昭和61年10月 第41回国民体育大会(秋)少年女子の部優勝
昭和63年8月 昭和63年度全国高等学校総合体育大会優勝
昭和63年10月 第43回国民体育大会(秋)少年女子の部優勝
平成3年3月 全国高校バレーボール選抜優勝大会優勝
平成4年8月 平成4年度全国高等学校総合体育大会優勝
平成24年1月 平成23年度全国高等学校バレーボール選手権大会準優勝
■「氷上といえばバレーが強いところ」
・氷上観光バス 代表取締役社長 北野政弘(まさひろ)さん
今年のインターハイでは丹波市からバスで開催地の北海道までの長距離をともに過ごしました。結果は決勝トーナメントでの敗退となりましたが、すでに決勝までのスケジュールを組み込んでいたということもあり、現地在住経験のあったドライバーが急きょ、選手にサプライズで富良野や小樽、網走などを案内する北海道観光を企画しました。日ごろ、遊びなどを制限してバレーの練習に打ち込んできた彼女たちにとって、良いリフレッシュになったのではないかと思います。
昔から、京阪神など遠方に行った際に「氷上から来た」と言えば「バレーが強いところですね」と言われるなど、氷上高校女子バレー部の存在は市民にとって大きな誇りです。今後もぜひ頑張って欲しいです。
■「春高はあこがれの舞台」
・市島中学校 体育教諭 石丸真里江(まりえ)さん
氷上高校ではセッター、リベロ、レフト、ピンチサーバーなどのポジションを経験しました。厳しい練習や部のルールはありましたが、寮生活では鍋やクリスマスパーティーなどのイベントもあり、楽しい思い出も多くあります。忘れることができないのは1年生の時に春高バレーでの準優勝です。春高のコートに立つだけでなく、あこがれの決勝の舞台まで行くことができました。出場時間はわずかでしたが、会場で過ごした時間は格別でした。
選手の皆さんは強豪校として結果を求められるというプレッシャーはあると思いますが、これからも誇りを持って頑張って欲しいです。
■「地元愛を奮い立たせてくれる存在」
・氷上高等学校 校長 足立均(ひとし)さん
女子バレー部が練習する体育館を初めて見学したとき、衝撃で体中に鳥肌がたったのを今でも鮮明に覚えています。当時、昭和63年の総体で優勝するなど圧倒的な強さを誇っていたチームが練習する舞台は、どこか神がかっているように見えました。
今でもわが校の女子バレー部は活躍し続け、全国に丹波市や氷上の名前を知らしめてくれています。部員たちの活躍する姿は私たちにとって、地元愛や地元に対する思いを奮い立たせ、丹波市民で良かったということを改めて実感させてくれます。
ここ数年は全国の舞台で、今一歩というところで惜敗していますが、古豪氷上高校の復活とかつての栄光を見せるような活躍を期待しています。
■「食事が楽しみのひとつに」
・氷上高等学校 バレーボール部宿舎寮母 増南博子(ひろこ)さん、山田淳子(じゅんこ)さん
彼女たちは練習などで日々忙しく、顔を合わせる機会は少ないですが、献立を見て喜んでくれたり、「おいしかったよ」と言われたときはとてもやりがいを感じます。彼女たちはアスリートなので、栄養の偏りに気をつけ、同月に同じメニューが出ないように気を付けています。
また、寮生活はストレスがたまると思います。食事が楽しみの1つになって欲しいと思い、日々レシピを研究しています。このほか、毎月寮では、「誕生日メニュー」という誕生日の子から食べたい料理をリクエストをしてもらう企画があります。お菓子が禁止されていることが影響しているのか、デザート系の人気は絶大です。
正月、春高で活躍する姿を応援できるように、食事を通して、彼女たちを引き続きサポートしていきたいです。
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