◆第32回 アンドロメダ銀河
秋の空は寂しいと言われます。一等星が一つしかなく、派手な星座もありません。それでも秋の空にしかない天体もたくさんあって、アンドロメダ銀河もそのひとつです。実際に見てみると随分と小さくぼんやりとして見えます。少し明るい空ならもう見えません。
アンドロメダ銀河は人間の目で見ることのできる最も遠い天体といわれています。遠くて近いその距離はおよそ250万光年。私たちの天の川銀河とは双子のような銀河ですが、このアンドロメダ銀河はもう40〜50億年もすれば、私たちの銀河系と衝突し、さらに巨大な銀河になることがわかっています。とはいっても、その頃には太陽がそろそろ寿命を迎える頃、近づく銀河を見ることは叶わないのですが。
兵庫県立大学 西はりま天文台
天文科学専門員 竹内裕美
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