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[特集]共に暮らし 支え合う~佐用(このまち)を日本の古里(ふるさと)に~(1)

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兵庫県佐用町

「最近、外国人よく見るようになったなぁ」
「どこの国の人なんやろ」
ここ数年、こんな声をよく耳にします。
以前から、町内の企業に勤める外国人のみなさん(以降、外国人と表記します)を見かけることはありましたが、転機となったのは5年前。閉校した久崎小学校の跡地に「佐用日本語学校」が開校されたことで、佐用町で暮らす外国人が急増しました。ほかにも、町内に移住して飲食店を開業したり、結婚で移住したりする外国人も増え、佐用町も国際色豊かになってきました。
今月号では、「町内の外国人の今」を知り、佐用町で共に暮らし、お互いに支え合う未来を考えます。

◆第1章 佐用で「暮らす」外国人
◇外国人の人口割合が約3倍に
佐用町は、少子高齢化の影響で人口減少が町の大きな課題となっています。そんな中でも見かけることが多くなった外国人。実際にどの国から来て、どのくらいの人が佐用町で暮らしているのでしょうか。

・人口は1万人を割る予測
佐用町の人口は戦後の昭和22年の38,947人をピークに減少し続けています。特に、佐用郡の4町が合併した平成17年以降は、少子高齢化で減少傾向が加速し、18年間で6,000人以上減少しました。さらに、町独自の人口推計では、2045年には人口が10,000人を割ることが予測されており、人口減少対策は町の大きな課題の一つです。

・外国人の人口は増加傾向
以前、町内に住む多くの外国人は、町内の企業に就労している技能実習生などで、人口は100人前後で推移していました。
しかし、ここ数年は「佐用日本語学校」の開校や、企業の技能実習生などの受け入れの増加、移住者の増加などによって、外国人の人口は急増しています。結果、令和5年10月末現在、佐用町全人口に占める外国人の割合は、平成17年の約3倍となる1・6%となっています。
また、国籍をみてみると、ベトナム人の97人やバングラデシュ人の42人をはじめ、大半は東南アジアの国から来日しています。そして、多くの人は学業や就労、技能実習などが目的のため、年齢層が低く、8割以上が35歳以下となっています。

・佐用町在住の外国人の国籍

・佐用町の人口推移
合併当時21,706人いた佐用町の人口も、令和5年10月末には15,219人に減少しました。一方で、人口に占める外国人の割合は近年急増しています。

※調査対象は各年度3月末
令和5年度は10月末時点(住民基本台帳)

●Pick up
日本の将来推計人口
2070年には人口の1割が外国人に

令和5年4月に厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所が「2070年までの日本の将来推計人口」を公表しました。
日本の総人口は、戦後増加を続け、2008年(平成20年)の1億2,808万人をピークに減少傾向となりました。推計によると、少子化の影響などから、今後も人口は減少し、2070年には現在の人口1億2,615万人から約3割減少し、約8,700万人になるとされています。
一方、外国人の人口は2020年の274万人から、2070年には939万人と、3.4倍まで増加すると推計されています。
この結果、外国人の占める割合は2.2%から10.8%まで上昇することが予測されています。

・日本の将来推計人口

出典:国立社会保障・人口問題研究所 日本の将来推計人口
[出生中位・死亡中位をベース](令和5年推計)

◆第2章 佐用で「働く」
◇町の産業を支える担い手に
が不足している町の産業を支えています。今後も人口減少によって、介護や福祉に携わる人手不足なども見込まれているため、外国人は今以上に欠かせない存在となります。

・製造業を支える貴重な担い手
平成3年に国際研修協力機構(JITCO(ジツコ))が誕生し、その2年後には、経済発展を支援する目的で、職業上の技術や知識を身につけてもらう「技能実習制度」が創設されました。
また、令和元年には、国内で深刻な人出不足に悩む特定の分野において、一定の技能を有する外国人を受け入れることを目的に「特定技能制度」が創設され、外国人が日本で働く環境が整備されました。
佐用町では、令和5年10月末時点で、町内で暮らす外国人256人のうち、約半数となる120人が技能実習生や特定技能外国人として仕事をしています。特に人出が不足している製造業の分野では、多くの外国人が働いており、企業を支える貴重な担い手となっています。

◇みんなでフォローして働きやすい環境に
・(株)ソーイング三日月 宮本 憲和(のりかず)さん
学生の制服などを作っている当社は、30年以上技能実習生を受け入れています。現在は、ベトナム人8人と中国人6人の合計14人が勤めていて、会社近くの寮で共同生活をしています。
この業界は人手不足なので、手先が器用で覚えも早く、一生懸命働いてくれる実習生にはとても助かっています。
彼らが日本の生活に慣れ、安心して働いて、健康に帰ってもらえるように従業員みんなでフォローしています。

◇実習生同士で教育してくれています
・三河電機(株) 竹野 幸成(ゆきなり)さん
夜勤の人出不足がきっかけで、平成17年から技能実習生を受け入れ、現在は27人のベトナム人が勤めています。
実習生は、みんな「目的」があるので、一生懸命働いてくれます。また、毎年入れ替わりがありますが、先輩が後輩に仕事だけでなく、日本での生活を教育してくれることが、長年実習生を受け入れているメリットです。外国人の働き手はまだまだ必要になってくるので、彼らが働きやすい町になることを願っています。

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