◆第34回オリオン座のべテルギウス
冬を代表する星座の一つにオリオン座があります。オリオン座は2つの1等星と5つの2等星からなる、とても贅沢な星座で、街中でも見つけやすいです。ほぼ同じ明るさ、同じ色の星が3つ並んだ「オリオンの三ツ星」を2つの1等星と2つの2等星が四角形で取り囲み、鼓つづみの形のようにも見えますが、ギリシャ神話では、勇者オリオンが右手(向かって左側)にこん棒、左手にはライオンの毛皮を持っている姿とされています。
オリオン座の星たちは、天文学の研究においても大変興味深い対象となっています。特にオリオンの右脇部分にある1等星ベテルギウスは、赤色巨星と呼ばれる、星の最終段階にある星の代表として良く知られています。なゆた望遠鏡でベテルギウスを見ると、オレンジ色よりやや赤みがかった感じの色の小さな光の点に見えますが、実際には太陽の何百倍の大きさがあり、太陽以外の星で初めて(見かけの)大きさが測定された星でもあります。
兵庫県立大学 西はりま天文台
准教授 本田敏志
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