◆ふるさとの復興への想いを 歌で紡いだ14年
平成21年に町を襲った豪雨災害をきっかけに発足した「佐用いのりのとき合唱団」が、最後の演奏会となる「レクイエム・プロジェクト佐用町2024」を、8月25日にスピカホールで開催。集まった250人の聴衆の心を揺さぶりました。
作曲家の上田益(すすむ)さんが、阪神・淡路大震災をきっかけに、自然災害や戦災の犠牲者を追悼するために立ち上げた「レクイエム・プロジェクト」。平成22年には、町が災害からの復興に感謝する「佐用町感謝のつどい」で、町民をメンバーに加えて公演を行いました。
「佐用いのりのとき合唱団」は、この日の公演で会場に響いた歌声に感動した有志が集まり結成されました。
結成後は、上田益さんが水害から復興に向かう佐用町をイメージして作詞・作曲した「大切なふるさと」を中心に、犠牲者への哀悼や未来への希望、ふるさとへの想いを歌に託してきました。
これまで年に1回の演奏会を行ってきましたが、メンバーの減少もあり、水害から15年を迎えたタイミングで活動を終了することを決めた同合唱団。スピカホールで開催された最後の演奏会は、メンバーたちが歌に込めたふるさとへの温かい想いに包まれ、感動的なフィナーレを迎えました。
●歌い続けた14年間は宝物
・佐用いのりのとき合唱団 孝本 鈴子さん(上長尾)
最後の演奏会を終えて胸がいっぱいです。特に今日は、これまでなかなか足を運べなかった遺族の方が聞きにきてくれていて、本当にうれしかったです。歌い続けた14年間は、仲間との大切な宝物になりました。
●合唱で町の力を感じることができた
・レクイエム・プロジェクト 代表 上田 益さん
人口が少なく、水害で大きな被害を受けた町なので、合唱団が根付くか不安もありました。しかし、こんなに広がり14年間続くことは素晴らしいこと。町の力を感じることができました。これからもふるさとへの想いを歌でつないでください。
●大切なふるさと
※歌詞は本紙をご覧ください。
当日の様子は、10月9日(水)から22日(火)までの間、佐用チャンネルで放送します。また、町公式YouTubeでも公開しています。
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