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[特集]町に高校があるということ(3)

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兵庫県佐用町

◆第5章 地域に根ざす高校になるために 輝く人をめざす今
佐用高校は、これまで地域に根ざした学校として町とともに歩んできました。現在は、地域との「協働」にさらに力を注ぎ、町の活性化に貢献するとともに、社会で活躍できる人材の育成をめざしています。

・佐用高校
大塚 幹典(みきのり)校長

◇地域と協働し、輝く人材を育成
佐用高校家政科は、令和2年度から3年間、文部科学省の指定を受け、地域と一体となって地域の課題を解決する「協働」のモデルプランに取り組んできました。
この事業を通じて、地域の人と交流する機会がこれまで以上に増えた生徒たちは、目に見えてコミュニケーション能力が向上しました。この成果をさらに広げるため、令和5年度から町の支援を受けて「地域と高校の協働による輝く人づくり支援事業」を立ち上げ、全校生徒が「協働」に参加しています。

◇佐用を知り、一緒に未来を描く
佐用町は不便な田舎と思われがちですが、実は交通の便も良く、暮らしやすい場所です。町外から通う生徒も多く、まずは「佐用を知る」ことからスタートしています。その上で、町の現状や課題を理解し、「佐用をどうしていきたいか」を考え、地域との「協働」を実践しています。
今後も、町の特産品を活かした商品開発や、飼育している鶏の卵の販売、高齢者との交流で健康寿命を延ばす取り組みなど、学校だけでなく佐用町全体の魅力アップにつなげていきたいと考えています。

◆町とともに進化する高校へ
◇(普通科)佐用町に貢献できる人材育成を
町内の公共施設を訪問し、役場職員から直接町の現状や課題を聞く機会を設けるなど、地域の課題を深く探求しています。
さらに、見つかった課題に対して「佐用高校生らしい」柔軟な視点を活かした解決策を研究・検討しながら、将来、佐用町に積極的に貢献できる人材の育成をめざしています。

空き家の課題を調査し、改修することで高齢者が集える場所として活用する提案をしました。この取り組みを通じて、自分たちが暮らしてきた町の課題を深く知ることができ、町への愛着を深めるきっかけとなりました。
・森元和奏(わかな)さん(佐用町)
・古田恵莉(えり)さん(佐用町)
・岡本姫佳(ひめか)さん(佐用町)
・孝橋萌李(もえり)さん(佐用町)

◇(農業科学科)佐用高校ブランドを地域に届ける
農業学習の一環として行う草刈り実習では、町の観光施設などの美しい景観を守りながら、地域への理解を深めています。
また、約1,000羽の鶏が産む卵を「さよたま」としてブランド化し、地域のみなさんに販売しています。この「さよたま」は学校給食にも活用され、町内の子どもたちの食育にも役立っています。

今年初めて学校給食で「さよたま」を使い、幼小中学生に味わってもらいました。視察で訪れた佐用中学校では、生徒たちの「おいしい」という声や笑顔に触れ、とても嬉しく感じました。濃い卵黄とビタミンEの豊富さが特徴の「さよたま」。
これからも多くの町民のみなさんに親しんでもらえるよう、活用の場を広げていきたいです。
・大霜陸駿(りうと)さん(佐用町)

◇(家政科)地域の人との交流で笑顔を届けたい
家庭や地域社会に役立つ知識と技術を学んでいる家政科の特徴を活かして、住民のみなさんと交流しながら、健康寿命の延伸や安全・安心なまちづくりをめざしています。
特に、佐用もち大豆など地域の特産物を使った商品開発に力を入れており、地域の魅力を発信する取り組みを通じて、佐用町全体のPRもしています。

高齢者のお宅にお弁当を届ける「給食サービス」を行いました。献立作りでは栄養バランスに気をつけ、食べてくださる方の健康を意識しました。また、佐用の特産物や佐用高校で育てた野菜を使い、地元ならではの味を大切にしました。この活動を通じて、地域のつながりを実感し、高齢者の健康を支える大切さを改めて感じました。
・北川右琉(うる)さん(佐用町)

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