◆第43回 宵(よい)の明星「金星」
12月になると日の入りが早くなり、すぐに暗くなります。この時期、西の空に明るく輝き、存在感を増しているのは金星です。日没後2時間くらいの時間帯を「宵」と呼び、この時間帯に見られる金星は「宵の明星」とも呼ばれます。
金星は地球と同じく太陽の周りを回る惑星ですが、地球よりも太陽に近い軌道を回っているため、真夜中には見られません。主に太陽の近くに見られることが多いのですが、これから徐々に太陽から離れていき、明るさも増していきます。
来年の3月上旬までは、宵の時間帯で最も目立つ存在となります。この頃の金星を望遠鏡で見ると、半月状から三日月状へと形を変え、大きさも地球への接近に伴って大きく見えるようになります。
西はりま天文台では週末に昼間の星の観察会を行っており、60センチ望遠鏡で金星を見ることができます。ぜひ変化していく金星の様子をご覧ください。
兵庫県立大学 西はりま天文台
准教授 本田敏志
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