◆第37回 宇宙の覗き窓「かみのけ座」
「かみのけ座」と言う星座があるのをご存知でしょうか?あまり馴染みの無い星座だと思います。それもそのはずで、この星座には明るい星はほとんど無く、星の並びから「髪の毛」をイメージするのは非常に困難です。
しかし、明るい星が無いということは、この方向には星が少ないということであり、その分遠くまで見通せる方向とも言えます。そのため、かみのけ座付近は「宇宙の覗き窓」とも言われ、実際約3億光年先の銀河集団も発見されています。かみのけ座は、うしかい座のアークトゥルス、おとめ座のスピカ、しし座のデネボラを結ぶ春の大三角形に、りょうけん座のコル・カロリを加えた春のダイヤモンドとも呼ばれるひし形の中に見ることができます。月の無い晴れた夜であれば、デネボラとコル・カロリの間にかみのけ座の星団(メロッテ111)を見つけることができますので、ぜひ探してみて下さい。
兵庫県立大学 西はりま天文台
准教授 本田敏志
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