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自治体の皆さまへ

特集:大人の発達障害って何だろう?(1)

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兵庫県加古川市

※この記事に関連したSDGs項目は、3番・10番

大人の発達障害に関する相談が増えています。発達障害は、生まれつきの脳機能の偏りによる発達の特性に対し、周りの環境や方法が合っていないために、本人や周囲の人がやりづらさを感じている状態のこと。子どものときには気付かれず、大人になってから困り事がでてくる人がいるのはなぜでしょうか。

■発達障害の主な種類と特性
特性の表れ方や程度には個人差があります

○ASD
自閉スペクトラム症
・興味のあることに関心が集中する
・こだわりが強い
・感覚が鋭い
・人付き合いや社会的コミュニケーションに困難がある

○ADHD
注意欠如・多動症
・忘れ物やなくし物が多い
・気が散りやすい
・落ち着きがない
・同じ間違いを繰り返す

○SLD/LD
限局性学習症/学習障害
・読み・書き・計算など特定のことが苦手
※全般的な知的の遅れはない。

など

■特性は外見では分からないため、周囲はつい「本人の努力が足りない」などと思ってしまいがちです。
当事者に実際の経験を聞きました。

○困り事が増えていった
私が発達障害の診断を受けたのは、大人になってから。仕事でうまくいかないことが増えていったのがきっかけでした。一つの仕事を終わらせる前に他のことを次々に始めてしまったり、反対に一つの仕事に集中し過ぎて、するべきことを忘れてしまったり。周りの人との思いの食い違いがたびたび起こるようになりました。約束事や持ち物をすっかり忘れてしまうこともありました。すべてがスムーズにいく日もあるため「あの時はできたのだからできるでしょ」と周囲から思われるだけでなく、私自身もそう感じ、ストレスがたまる日が続いていました。福祉関係の仕事をしていたころに発達障害を知る機会があり、学んでいくうちに「もしかしたら私も?」と思うようになりました。知り合いにも「診察に行ってみたら」と勧められ、受けることにしました。

○知ることで対応できるように
診断の結果はADHDとASDの特性が少しずつあるというものでした。私の精神状態や相手などにより、特性が強めに出る日と出ない日があることも分かったのです。仕事がうまくいかない原因の一つに自分の特性があるからだと知り、どうしたら生活や仕事がしやすくなるかを考えるようになりました。例えば、予定はすぐにスマートフォンのカレンダーに入力し、家では予定表を目立つ場所に貼っておく。相手の話が理解できなかった時はあやふやにせずに聞き直す…などと工夫することで暮らしやすくなったと感じています。失敗することもありますが、自分のペースを大切にし、周りの人に協力をしてもらいながら、いろいろな方法を試しています。※他の人の事例も併せて話しています。

■大人になって気付く理由
○子どものころは
・家族や周りの手助けで特性が隠れていた
・集団の中で症状が隠れていた
・学校などで決まったことをやっていれば困らなかった

○大人になって
・一人暮らしや結婚などで環境が変わり、やりづらさが目立ってくる
・社会に出て自分で決めることが必要になり、困難が生じる

■互いのペースの違いを理解することで周りとより良い関係を築きやすくなりました。
○Profile
はりまADDM~大人の発達自助会~
代表 福田鉄男さん
介護福祉士、発達障害サポーター、ピアサポートカウンセラー。当事者の会を発足し「笑楽」の名前で活動中。

○はりまADDM
同じ困り事や悩みを持つ人が思いを共有する場。当事者の会や講演会、勉強会、交流会などを開催しています。

くわしくはこちら(※本紙参照)

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