■専門家に聞きました
発達障害を本人や周りの人はどのように受け止めたら良いでしょうか。医療や支援の専門家に聞きました。
(Q)子どもの発達障害との違いはあるの?
・特性に気付く時期が違うだけ
特性そのものに違いはなく、いつ困った状況に陥るかの違いです。子どもの頃は本人ではなく周りが気付きます。周りの理解や支援が進み、本人の行動も変化して、大人になる頃には困ることが少なくなっている場合があります。
(Q)発達障害を本人はどう受け止めたらいい?
・自分の特性に向き合う
特性は多くの人が持っています。その特性に対して周りの環境や方法が合わないと、やりづらさを感じることがあります。特性をなくそうと考えるのではなく、特性との付き合い方を考えてみましょう。苦手なことは何か、どんなことをすると過ごしやすいのか、特性を生かせることは何かなどを書き出してみるのも一つの方法です。自分だけで知ろうとするのが難しい場合は周りに相談すると、新たな視点で特性と向き合うことができます。
・特性を知ることが改善のヒントに
発達障害にみられる特性に対し、負担のかかる環境が続くと、うつや不安などの二次障害を引き起こす場合があります。反対に、どんな時に特性を生かせるかを知っておくと、生活しやすくなったり長所に変わったりすることもあります。自分や周りの人がやりづらさを抱えている時に「特性が隠れているかもしれない」という視点で考え方や関わり方などを見直してみると、改善のヒントが見つかるかもしれません。
こども療育センター診療所長 佐々木香織さん(医師)
(Q)周りの人ができることは?
・声を掛け、一人にしない
生活していると困ったことは誰にでも起こります。そんなときに誰かに相談に乗ってもらえたら安心しますよね。まずは当事者を一人にさせないことが大切です。困ったり悩んだりしていそうな人を見たら「どうしたの?」「何に困っているの?」と声を掛けてみましょう。本人は一見気にしていないように見えて実は困っていることもあります。また、相談することを思いつかない場合もあります。どんなことで困っているかをはっきりさせると、解決の糸口が見えてくることがあります。私たちも一緒に改善策を考えますので、支援センターにも相談に来てください。
・視点を変えて考えてみる
当事者の困り事に対して、周りの人がアプローチを変えてみることは、身近な環境を変える一つの方法になります。例えば、口頭ではうまく伝わらない場合、メモに書いて渡したりメールを送ったりと文字で見えるようにすると改善することがあります。一人一人が家族や身近な人に対するのと同じように考えられれば、障害の有無を越え、社会全体の暮らしやすさにつながっていきます。
市障がい者基幹相談支援センター相談員 原田日向さん(相談支援専門員、社会福祉士)
■Information 発達障害の支援・相談はこちら(※本紙参照)
・就業相談や職場見学の付き添い
・周囲の人からの相談
・専門的な窓口の紹介
・当事者が抱える悩みや困り事
○市障がい者基幹相談支援センター
さまざまな相談支援や制度の案内などを専門資格のある職員が行います。予約不要。
場所:加古川町寺家町177-12市総合福祉会館1階
時間:月~金曜日午前9時~午後5時(祝休日・年末年始を除く)
問い合わせ:【電話】424-4358【FAX】424-4379
メールはこちら(※本紙参照)
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問い合わせ:障がい者支援課
【電話】427-9210
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