昨年は新年早々に能登半島地震が発生し、多くの人の生活が一変しました。自然災害は突然やってきて、人の命や生活に大きな被害をもたらします。阪神・淡路大震災から30年が経ち、当時のことを知らない人も増えてきました。家族や仲間が集まる年始に、自然災害への備えについて話してみませんか。
■新春座談会 自然災害への備えを考える
自然災害や防災への思い、地域や学校で行っている防災活動、普段から出来る災害対策などについて座談会を行いました。
THEME1 近年の自然災害から感じること
THEME2 自然災害へのそれぞれの取り組み
THEME3 個人・地域でできる自然災害への備え
◇TALKMEMBER
・阪神・淡路大震災記念人と防災未来センター 河田 惠昭(かわきた よしあき)センター長
国や自治体防災分野の委員を歴任。「減災」という言葉を提起し、自然災害が起きることを前提とした取り組みを進めている。
・岡田 康裕(おかだ やすひろ) 市長
・玉川 英樹(たまがわ ひでき)市議会議長
学校で防災活動に取り組む高校生
県立加古川南高等学校
・金原 豪(かねはら ごう)さん
・高田 凛子(たかた りんこ)さん
県立東播工業高等学校
・小池 楓真(こいけ ふうま)さん
・山本 有愛(やまもと ゆお)さん
◇THEME1 近年の自然災害から感じること
市長:昨年は元日には能登半島地震に始まり、9月には能登半島豪雨もありました。近頃は水害も各地で頻発するようになり、自然災害への対策は今まで以上に重要になってきています。
議長:8月には南海トラフ地震臨時情報も発表されました。災害への備えは、いわゆる「自助・共助・公助」が大切だといわれています。昨年の教訓を生かし、議会でも災害対策を進めていきたいと考えています。
市長:生徒の皆さんは、災害をどのように感じていますか?
金原:能登半島地震は、親戚が集まっていた時に起きました。テレビはどの番組でも速報が流れていて、災害は本当に急に起きるんだと実感しました。
高田:私は防災訓練などで過去の災害の映像を見ました。災害がどれだけ怖いか、自分たちの生活に影響を与えるかを考えさせられました。
小池:阪神・淡路大震災は経験していませんが、僕たちは毎年、ボランティア活動の一環で人と防災未来センターに行きます。災害は「いつ」だけでなく、どんな種類のものが起こるかも分からないから、備えは大事ですね。
山本:家や学校にいる時だけではなく、他の場所で災害が起こった時にどう避難するかや、周りの人にどういった声をかけるかなども考えなければと思います。
河田:日本は、多くの災害を経験してきたから防災対策が世界一なんですよ。私は海外のさまざまな被災地へ行きました。先進国でこれだけ災害が多い国は日本だけです。
市長:日本は先進国の中で1番の高齢化率なので、災害時の高齢者や障がいがある人などへのサポートも、日本が最初に直面している課題ですね。
河田:災害は、体験や経験を重ねるほどするべきことが分かっていきます。被災すると、人が亡くなったりけがをしたり、建物や土地の被害が出たり、その後も関連死があったりと、生活にも長い間影響が出ます。高齢者が増えると支援が必要な被災者数も増えます。被害をどれだけ少なくできるか、という思いで活動しています。
金原:防災について家族と話しました
山本:後輩たちにも伝えていきたいです
◇CHECK1 自助・共助・公助
防災を考えるときに大切な3つの要素。大規模災害時は公的機関が被災することもあり、迅速な支援が難しくなる。
・自助
じぶんで備える
・共助
みんなで助かる
・公助
公的機関が支える
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