■みんなにもらった「おかげさん」で今がある
約20年間手づくり人形のストラップを寄贈
宇治宮喜郎さん(中村町)
「大勢の人の手に自分の作品がわたることで、自分もおかげをもらっている。」
約20年に渡って、交通安全協会に手づくり人形のストラップを寄贈している宇治宮喜郎さん。昭和5年生まれ93歳という年齢ですが、はきはきとしっかり取材に応じる姿は、まったく年齢を感じさせません。
「60代で大病を患ってね。仕事も辞めて、さあどうしようと思っていたところ、元々好きだった木工や小物などの、ものづくりをしてみようと思って始めました。」
お店の売物を研究し、自分の作品づくりに応用。どんどんクオリティが高い作品ができあがりました。近所の友人や親戚にあげていたところ、交通安全協会に勤める友人から、人形のストラップを交通安全週間に配りたいと依頼がきました。それから毎年、年間500個の手づくり人形のストラップを寄贈しています。
「ストラップを寄贈する時に、感謝をされますが、感謝したいのは私の方。みんなの喜ぶ顔が嬉しくて頑張れる。たくさんのおかげさんをもろうてます。(ストラップを作ることは)ボケ防止にもなっていますしね。」
取材時もスムーズに糸を針に通し、チクチクとリズムよく縫い合わせ、あっという間に人形が完成していきます。
「長生きの秘訣は好き嫌いせずよく食べてよく寝ること。これからは病気にならず、人の世話にならず、施設に入らず。大好きなものづくりを続けながら、妻と一緒にゆっくりお迎えが来るのを待ってようと思う。」
命がある限り、誰かの命の無事を願って…。
これからも喜郎さんのものづくりは続いていきます。
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