■消防団員の家族との意見交換会開催! 消防団長と語りたい
「どんどん意見を聞かせてください!」
11月11日、消防団員の家族を対象にした団長との意見交換会『消防団長と語りたい』を開催しました。
子育てふれあいセンターにて、託児も行いながら、団員のご家族の皆さんの思いを聴きました。その場で出た意見を紹介します。
・町外から嫁いできて初めて消防団を知った。消防だから、と出かけていくと、放って行かれた気持ちで辛かった。
・消防団に村の青年団も兼ねていて、村の行事の出役も多くて、休みがないのが負担。
・舅や姑は、消防だから仕方ないという考えだけど、時代は変わってきている。世代間の考えのギャップがしがらみ。
・町外から来たので、消防団に入ったおかげで知り合いが増え、村に馴染めた。月1回の例会も楽しんで行っている。
・消防団が何をしているのかわからないことが多すぎる。見えない壁を壊してほしい
・年齢が近いもの同士の交流になっている。最近は活動も負担が減ってきたので、今ぐらいの頻度で楽しんでほしい。
・年末警戒っていうけど、最近はオール電化の家庭が増えている。やる必要ある?
・多可町っていうと、操法とかで消防が大変な町やんなと言われる。こんなイメージだから若い子も帰ってこない。
・こういう意見を言える機会をもってくれたことはうれしい。主人も良い機会だから参加したら、と言ってくれた。
・消防団の旅行代が高い。何に使っているかわからない。本当に必要なの?
・村の若者を消防団に勧誘しても、しませんて平気で言われるから心が折れるって主人が言っている。
▽操法大会にこれを言いたい!
・操法大会の練習だからと平日の夜出て行く。子どもも小さいし、残されて精神的にしんどい。辛い。
・大会ではなくて、操法の練習を月1回やるとかに変えてもいいんじゃないか。
・操法大会って何?運動会やん。他の出動はがんばってね、て見送るけど、操法だけは送り出す気持ちになれない。
・地域防災のためにいろいろとがんばっていることがあっても、操法があるだけでイメージが悪くなる。
・大会のための練習になっている。実際に役立つ訓練や自然災害に備える活動をしてほしい。
・実際の火事のときは長靴で行くのに、大会のときはお揃いのスニーカー。意味が分からない。
・意見を聞くなら、団員全員にアンケートをとってほしい。
・操法大会を見に行っても、何をしているのかわからない。
・実際の火事になったら、自分の担当した部分しかわからないから他の動作ができないと主人が言っていた。それって意味ある?
・操法大会ではなく、消防フェスティバルとか、家族で楽しめて消防のイメージが良くなるイベントをしてほしい。
・競わなくていい
・地域防災として共助の観点からも消防団は必要だと思う。でも、操法大会の見直しは前向きに考えてほしい。
・操法の練習に行っている時間は、子育て世代にとっては、戦争の時間帯。一番いてほしい時間にいない。ワンオペ育児になる。
・村ごとだと、団員も少ないから負担が大きい。もっと操法の構成範囲を広げて合同でできないの?
■消防団の改革は必要
多可町消防団 山本和樹団長
令和2年4月、私は一般団員(基本団員)から消防団長に就任しました。就任後、ある家族から『うちは消防団のせいで家族が壊れた。』と言われました。
団員数の減少や高齢化。若者の地域ばなれの一因が消防団にある。様々な声を聞きました。
「改革」に取り組もう。
令和2年度の1年間をかけて、すべての部と面会し、消防活動についての意見を聞き取りました。言いにくいこともあるかもしれないけど、遠慮なく言ってくれ、という思いもあって、面会は私1人で行いました。なるべく率直な意見を言ってくれと。
その後、消防整備審議会の皆様にもお世話になり、まずは令和3年から団や各部の体制整備を行いました。
また、消防操法大会は、区大会を廃止し、3年に1回の順番制で町大会に参加、練習期間も大会前1カ月間のみ、と取り決めました。
また、基本団員の少ない部は合同での出場も幅広く認めました。
しかし令和3年、4年とコロナ禍のため操法大会は中止。今年度、改正後初めての操法大会を行いました。その中には十数年ぶりに出場した部もありました。
この11月に開催したご家族の方との懇談では、私が思う以上に、消防=操法=マイナスイメージなんだと強く実感しました。
また、報酬や会計のことなど、細かな変更点がきちんと説明できていないという反省も多くありました。
多可町消防団は、近隣市より団員数(人口比)が多く、災害現場での対応も常備消防と変わらない活動をこなします。
また、地域の高齢化に伴い、高齢者への見守りや声かけ、捜索案件など新たな活動も増えています。
ただ、ご家族の理解、地域の理解があっての組織です。
長い歴史の中で地域に根付いている消防団だからこそ、いろいろなしがらみがあることも事実です。しかしこのままでは、消防団は消えてしまいます。
時代の変化とともに変わる。今まで行ってきた「改革」は何だったのか?改めて反省と課題を強く感じています。地域での万一の災害に備え、消防団の存在は必要です。消防に入る若者が減っている。少子化の中で、これはどこの市町も、また消防団以外の組織もが抱える問題です。だからこそ、時代や地域の事情にあった持続可能な組織へと変革が必要であり、操法大会についての見直しもさらに進める必要がある。
「これで終わりじゃない。いただいた意見を無駄にせず、必ず今後に繋げていきます。」
消防団を消さないために…
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