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ふれあい

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兵庫県多可町

■「寝た子を起こすな」論について
いよいよ11月が始まります。実りの秋を迎え、行楽シーズン到来ですが、お元気でお過ごしですか。
今回は同和問題に関してよく聞く言葉、「寝た子を起こすな」論について考えてみたいと思います。
他の市町の学習会等で、参加者の方から同和問題について、「いつまでこんな事を続けているのか。もう自分の周りでは差別なんかない」とか「このような学習会をするから、かえって差別を助長する。放っておいたら、自然と差別はなくなる」的なご意見を頂戴することがあって、なかなか啓発活動について理解していただくのが難しいという報告がありました。
何も知らない人に、わざわざ差別の現状を知らせることによって、逆に新たな差別を生むのではないか、そんなことならいっそ問題に触れることなく、そっとしておけば、差別はなくなるという考え方が「寝た子を起こすな」論です。昔からある考え方で、未だにあることに少々驚きを感じました。
確かに物事には、知らないですむことなら、あえて知らせない、事を大げさにしないようにする方便としてこのような考え方があります。
しかし、果たしてこの考え方が同和問題を含む人権問題に当てはまるかといえば、答えはもちろん否といえます。身近な例でいえば「いじめ」を考えてみましょう。「いじめ」をなくすのに、「いじめ」について何も学習しないまま、そのような状況に陥った場合、あなたはどうしますか。学校はもちろん、職場でも、地域でも誰にでもそういう状況は起こり得ます。そのようなときに最善の対処をしっかり学んでおくことがいかに大切か理解していただけると思います。
また、国は平成28年に部落差別解消推進法を制定し、その第一条に「現在もなお部落差別が存在する」と明記しています。これにより、法的にも部落差別の存在は認知されたことになります。「差別はない」ということと「差別の現実を知らない」ということは別ものなのです。
11月2日(土)に隣保館まつりを開催します。講演会や講座生の展示、発表、お茶席など用意していますので、ぜひ気軽にお越しください。

問合先:人権啓発推進室
【電話】32-1389

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