■あなたにとってお金ってなんですか
「会社を作る」
「お手伝いしたらもらえる」
「いっぱい遊べる!」
「クレーンゲームがいっぱいできる」
「学校に行くためのもの」
「募金するもの 人を助けるもの」
「家が買える」
「とても大事なもの」
「車が買える!」
「なんぼあってもいい!」
「トイレが買える トイレ大事」
「ガチャガチャいっぱいできる」
「家族のために使うもの」
「きゅうりがいっぱい買える!」
■小学生に「金融教育」ってどう感じますか?
小学生でお金の勉強をする、と聞くと、あなたはどう感じますか?
「まだ早いやろ。」
「ぜひやってほしい。」
「先生が何を教えてくれるん。」
「わたしも学びたかった。」
いろいろな思いや意見があると思います。
2022年度から、高校での金融教育が義務化され、金融や経済の仕組み、トラブル防止などが授業に取り入れられるようになりました。
2023年に(株)イー・ラーニングが実施した「子どもがいる親世代に聞いた子どもの金融教育に関する調査」※1では、9割以上の親が子どもへの金融教育を必要だと感じている結果が出ています。
その一方で、「学校での教育の内容を把握しているか」という問には、8割以上の保護者が把握していないという結果でした。
また、金融教育のテーマとして最も多かったのは「貯蓄と資産運用」で、効果的と感じる教育方法として、「ゲーム教材」や「体験型授業」が1位、2位という結果でした。
そんな中、松井小学校の篠原隆浩教頭は、「これからを生きる子どもたちに、金融を通した学びを」という思いから、小学校での金融教育をスタートさせました。
Q.子どもへの金融教育は必要だと思いますか
Q.金融教育の必要性を感じたきっかけ
※1(株)イー・ラーニング研究所「2023年子どもの金融教育に関する調査」より
Q.学校で実施する金融教育として効果的と感じる方法
1位:ゲーム教材
2位:体験型授業
3位:動画教材
Q.どの金融教育のテーマが特に必要だと感じますか
1位:貯蓄と資産運用
2位:需要と供給
3位:ライフプランニング
Q.学校でどのような金融教育が実施されているか知っていますか
■未来につながる力ってなんですか?
篠原先生は、2021年に、杉原谷小学校の当時6年生だった子どもたちの授業で、初めて金融教育に取り組みました。
その翌年には、中町北小学校の4年生で金融教育に取り組み、その内容をまとめたレポートが、「第20回金融教育に関する実践報告コンクール」で奨励賞を受賞。
そして今年の5月、松井小学校4年生の教壇に、篠原先生が立ちました。
「未来につながる力ってなんだと思いますか?」
先生の問いかけに、不思議そうな顔をする子どもたち。
「あなたにとって、お金ってなんですか?」
子どもたちの鉛筆を持つ手がなかなか進まない…。
そんな子どもたちに篠原先生は呼びかけます。
「思ったことをそのまま書けばいいねん。かっこよく書こうとせんでいいよ。」
その言葉に子どもたちから次々と答えが飛び出す。
「いいやんそれ!!めっちゃおもしろいやん!最高やな。」
そうして出てきた答えが、この紙面の真ん中に書いてある。
さて、一番最初の質問「未来につながる力」の答えは、この特集の最後に書き綴ることにします。
■子どもたちは株式会社を立ち上げる
「みんなにおかしの株式会社を作って、新商品を開発してもらいます。」
つい2カ月前まで小学3年生だった子どもたちは、突然、株式会社の社長や社員になり、新商品の開発に取り組むことになりました。
会社を作るために必要なものは?
売れる商品を作るためには?
先生と子どもたちの「金融教室」、はじまりはじまり。
■松井小学校4年生 金融教育が始まった
篠原先生が金融教育に使用した教材は、「チャレンジ!おかしの株式会社」(撮影時は日本証券業協会出版)。
子どもたちに1冊ずつ配布し、授業を進めます。
会社を作るためには、「人」「モノ」「お金」が必要。
じゃあどうやってお金を集めるのか。
動画視聴での学習も合わせながら、1時間ごとに「めあて」を示して、子どもたちと向き合います。
班ごとに社長や会社名を決める、お菓子のコンセプトを考えるという学びの中で、子どもたちは「協力する」「伝える」「話す」「聞く」といった力を育んでいきます。
■会社のため、社員のため売れる商品を作る
「甘い」「さくさく」「冷たい」「カラフル」
おかしの開発もいよいよ大詰め。子どもたちは無地のパッケージにシールを貼ったり、色を塗ったりと工夫しながら、売れる商品を作るためにアイデアを出し合います。
「わからなくてもいい。できないことがあってもいい。みんなで助け合う、それが会社、チームです。」
先生の声は、常に優しく力強く染みこんでいく。
■商品アピール = 自己アピール
いよいよ商品のプレゼンの時間。
姿勢・目線・声の大きさ・商品の見せ方。子どもたちは真剣に練習を繰り返しました。このプレゼンで、投資してもらえるかが決まります。他社のプレゼンを聞くときは、チェックシートで評価します。
投資できる会社には限りがあり、会社によって集まるお金に差が出ます。悔しさもまた、自分の成長につながると篠原先生は話します。
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