■ICT
ICT教育ってよく聞くけどそもそもICTって何の略なん?
ICTとは、Information and Communication Technologyの略で、「情報や通信に関する技術の総称」をいいます。ここでは、多可町の子どもたちのICT教育を取り上げます。
◆一人一台コンピューターの時代
令和元年度に、文部科学省が子どもたち一人一人に合わせた最適な学びを提供するため、一人一台のコンピューターと高速ネットワークを整備するGIGAスクール構想を発表しました。
多可町では、令和2年度に一人一台コンピューター(ChromeBook)と、普通教室や特別教室からインターネットに接続するための高速ネットワークを整備しました。
導入当初は、ICT教育の推進に苦慮することもありましたが、教員の積極的な取り組みにより、現在はwebアプリなどを使ったさまざまな学習で、子どもたちは学びを深めています。
令和5年度には、「本が苦手な子どもたちにも本に触れる機会を」をテーマに、読書離れの解消を目的とした読書アプリを小学校で導入しました。
デジタル化したことで、いつでも好きな本を楽しめるようになり、休み時間や家庭での読書が身近になりました。
また中学校では、web学習アプリを朝学習で実践し、その活用率は全国トップクラスとなっています。
子どもたちが生きるこれからの時代は、ICTとは切っても切り離せない世界が待っています。
未来を作っていく子どもたちへ、多可町はICTにおいても力強くサポートしていきます。
◆先生たちもブラッシュアップ
教職員も、子どもたちへの指導方法について、常に勉強しながら新しい知識・技術を身につけています。
・4年生で学ぶプログラミングの学習内容を体験。子どもになったつもりで、課題解決に向けて試行錯誤しました。さらに、一人一台端末で活用できるソフトの活用方法を学習しました。
・自身のICTを活用した授業実践のふり返りと共有を行いました。チームに分かれ、情報活用能力の育成に向けた授業デザインを学ぶため、『空き教室の活用』をテーマに教室の活用方法を検討しました。
◆明るい未来を切り開く その力を積み上げていく!
市位真先生
八千代小学校所属。兵庫県版プログラミング教育構築事業では研究協議会委員を勤めた。また、HYOGOスクールエバンジェリストとして認定を受け、県内の教育の情報化の推進に携わっている。着任当初から多可町の子どもたちのICT教育や町内外の教員研修に積極的に取り組んでいる。
▽情報教育はすべてに繋がる
「実際のお仕事とか社会の問題って、国語、算数、社会などの教科に分かれていないですよね。」
市位先生は、教師として初めて着任した中町南小学校で、情報教育の担当になり、それがきっかけで情報教育の魅力にはまりました。現在は、大学院に通いながら、町内の小学校の授業や教員の研修などもパワフルに関わっています。
「元々情報系は好きでしたが、子どもたちがいきいきと取り組むので、情報教育はすごく魅力があります。」
「自分たちが普段生活する中で、例えば旅行の予定を立てるとすると、情報を集めて整理して、友達や家族にプレゼンするということを自然とやっているんです。
学校では、国語や数学、社会と教科で分かれていますが、情報教育はそのすべての授業に関係しています。
身の回りの問題を解決するために、子どもたちが情報収集をして、さらにインタビューをしてデータを集めて、それを目に見える資料にする。情報教育というのは、学校の教科と実際の社会を結びつける架け橋になると考えています。
情報を活用しながら、自分で知識を得て、探求していく。それって本当に大事なことです。生きる力に繋がるんです。」
生きる力
それはまさに、多可町の学校教育が目指す力です。
▽明るい未来を歩いてほしい
「ぼくは、別に情報のプロ、技術開発者を育てたいわけではないんです。情報社会を受け入れ、社会と自分を結びつけて自分の生活や周りの人の生活を明るくできるような、テクノロジー、情報に明るい人になってほしい。」
フェイクニュースや嘘が飛び交い、何が正しいかわからない時代に生きる子どもたちへ、市位先生は伝えたい。
「自分の人生を明るく、楽しく生きてもらいたい。今はテクノロジーが発達して情報が溢れかえる混沌とした時代ですが、逆に言えば、使いこなしたり自分で見極める目を持てば、未来はとても明るい。情報教育を通して、自分で歩いて行ける子どもたちになってほしい、と願っています。」
▽一人の百歩より百人の一歩
そんな市位先生には、大切にしている言葉があります。
「一人の百歩より、百人の一歩。結局ぼくだけスキルアップしてもダメなんです。教員は学び続けていかなければならない宿命があると思います。それはどの分野も。みんなでブラッシュアップしていけば、より広くたくさんの子どもたちに還元できる。
多可町の先生たちは、子どもたちのためにとても前向きです。
現状維持は後退だと思っています。先生方に負けないように、ぼくも常にキャッチアップしていきたいと思います!」
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