■仏像に魅せられ日本画を描き続ける 今中 敏数さん(糀屋)
すべてを受け止め、心安らかに仏像の魅力を伝えたい
「仏像が好きなんです。」
今年の5月、西安田の円満寺で、今中敏数さんが手掛けた日本画の作品展が開かれました。
幼少期から絵を描くことが好きだった今中さんが本格的に日本画を描き始めたのは21歳の頃でした。
絵画展での入選をきっかけに、数年間絵画教室にも通いましたが、独立。
「自分の画風や手法を大事にしたいという思いで、独学で描くことを選びました。」
今中さんが描くのは、仏像を中心とした日本画です。
「仏像には、たくさんの魅力があります。まず容姿。切れ長の目、ふし目がちな目線、鼻・唇には独特の抑揚。そして、穏やかな表情でありながら、静かな気迫を感じる姿。
最大の魅力は、観る人の喜怒哀楽の心を受け入れてくれるようなおおらかさです。」
神社仏閣巡りのツアーで仏像の魅力に引き込まれ、描ききたい!と筆を握ってから、数十年。今でも描きたいという気持ち、情熱は変わりません。そんな今中さんの作品には、優しさ、強さ、儚さなど、さまざまな感情があふれています。
「描いている間は、とことん仏像と向き合います。対話しながら描くことで、気持ちが安らかになって、心が落ち着き、癒やされるんです。」
今回の作品展には、町内外からたくさんの人が訪れました。
「このような環境の中で作品を展示できることに、心から感謝しています。多くの皆さんの協力のおかげです。この素晴らしいロケーションでまた作品展ができるように、これからも精進していきます。」
感動を与える作品づくりを目指したい。
柔らかい物腰の中に、作品づくりへの強い思いが見え隠れする姿は、まさに今中さんの描く絵そのもののように感じました。
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