■努力を積み重ねー勤続10年以上ー
11月16日、洲本市で「令和6年度兵庫県障害者福祉大会」が行われました。
この大会において、多可町の細尾大作さんと恋田佳奈さんが、公益財団法人兵庫県手をつなぐ育成会理事長表彰を受賞されました。
この賞は、自らの障がいを乗り越えて、一般企業に就職し、10年以上就労し、他の模範となる人に贈られるものです。今回のキラリ多可人プラスでは、細尾さんと恋田さんを取材しました。
▽働くことを通して、自分のことができるようになりました
恋田佳奈さん(株式会社 葉名菱勤務)
表彰式は、とても緊張したけどうれしかったです。
仕事は、ハウスの中で、水耕栽培で野菜を作っています。水菜や小松菜などです。これからもたくさんの野菜を作りたいです。
大変なことは、ハウスの中で仕事をするので、夏はとても暑くてしんどいです。
仕事をして、できるようになったことは、自分で朝起きて、ご飯を作って、バスに乗って仕事に行けるようになりました。
自分のことができるようになりました。それから職場の人と仲良く仕事ができるようになりました。
これからやりたいことは、水泳教室に通っているので、もっと泳げるようになりたいです。
パソコン教室に通って、パソコンができるようになりたいです。
▽楽しいことのためにまじめに一生懸命がんばりたい
細尾大作さん(社会福祉法人 養徳会 ひのもと青年寮勤務)
北はりま特別支援学校を卒業して、3年間多可町役場で働きました。そこでたくさんことを教えていただきました。優しく教えてくださいました。
その後、ひのもと青年寮で、障がい者の方の生活支援などを行っています。
仕事の内容は、利用者の就労のお手伝い、清掃、鍵の開閉、昼食の準備、うがいの準備などです。
職員の方から丁寧に教えてもらうので、心配はありません。
毎日の仕事を、挨拶と、「ほう(報告)れん(連絡)そう(相談)」を大切に、笑顔と健康に気を付けています。がんばっていると、1日の仕事が終わります。
しんどいこともありますが、周りの皆さんもがんばっているので、がんばれます。
わからないことは職員の方に聞くので大丈夫です。
健康に気を付けて、仕事をまじめに一生懸命がんばりたいです。
職場や利用者の皆さんと、歌を歌ったり、楽器を演奏したり、ウォーキングをしたいです。音楽は楽しいし健康にいいと思います。一緒に草引きや畑仕事をしたいです。
家族や兄弟、姉妹、甥っ子と旅行がしたいです。特別支援学校時代の友達家族と旅行に行きたいです。楽しいことのために、仕事をまじめにがんばっていきたいです。
洲本市文化体育館の大ホール。
舞台の上で、少し不安そうに代表受領者として表彰を待つ恋田佳奈さんの姿がありました。
カメラ越しに、目が合う。
2階席からそっと手を振ると、佳奈さんがにこっと微笑んで小さく手を振ってくれました。
恋田佳奈さんと、細尾大作さんは、この日勤続10年以上の人に贈られる(公財)兵庫県手をつなぐ育成会理事長表彰を受け取りました。この表彰は、各市町の手をつなぐ育成会の推薦を受けて贈られるもので、多可町では初めての受賞となりました。
▽手をつなぐ育成会とは?
主に、知的障がいを持つ人とその保護者・支援者で構成される団体です。
自己の能力を発揮し、生きる喜びや感動を味わいたいという思いは障がいがあっても同じです。
障がいを『ひとつの個性』として認め、希望の地域で普通に暮らしていけるように願い、さまざまな活動を行っています。
▽きょうもあしたもあさっても
表彰式が終わった2人は、ほっとした表情で、表彰状を手に笑顔をのぞかせました。
後日、それぞれの職場を取材。
佳奈さんは、加西市にある(株)葉名菱に、バスを乗り継いで毎日通っています。
佳奈さんの仕事は、ハウスで水耕栽培している野菜の植え付けや収穫作業がメイン。10年以上のベテランということもあり、テキパキと作業をこなします。休憩時間には、職場の人たちとお茶をしながら笑いあう。
今日も、佳奈さんはバスを乗り継ぎ、職場へ向かいます。
「細尾くんは、その辺りにいないかな?」
職場の人に案内してもらうと、黙々と掃除をする大作さんがいました。大作さんの仕事は、ひのもと青年寮の清掃や施設整備、B型就労所の作業補助。この日も、入所者の皆さんと作業に当たっていました。オンとオフをしっかり使い分け、仕事中は作業に全集中。
自分のやるべきことを手を抜かずにやる。大作さんの集中が途切れることはありません。
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